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説明 「カギの生活救急車」には、毎日鍵に関するありとあらゆる困りごとが寄せられてきます。普段、鍵のトラブルサービスの主戦場となるのは、やはり家の玄関やオフィスの入口ですが、なかには玄関以外の鍵を開けて欲しい、修理して欲しいというご要望も。今回の密着取材では、偶然にもそうした現場にも出会うことができました!
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本日、お仕事に同行するのは、こちらが気後れしてしまうほどイケメンな、JBR 駆けつけ領域 鍵チームの桂さん。普段は千葉県や東京都内を中心に現場を回りつつ、リーダーとして後進の指導にもあたっています。爽やかな笑顔があまりに印象的だったため、お会いして早々パシャリ。うーん、絵になります。
さて、1件目の現場は東京都・豊島区のマンションとのこと。荷物を載せたハイエースに乗り込み現場へ向かいます。
桂:この車、関東で一番部品を積んでいるんです。スタッフが毎日作業をしていると、部品のストックが急になくなることや、そもそも常備していない部品が必要になることがあります。そんなときでも、この車が近くにいて渡してあげることができれば、わざわざ問屋さんなどに買いに行かなくても、素早く部品が手に入る。そうした事態を想定して、ほかの車より部品の数も種類もだいぶ多く積んでいるんです。
なるほど。それでこの大きさが必要というわけなんですね。実際に中を見せていただくと、運転席後方のスペースは棚が作られ、たくさんの部品類が整然と並んでいます。天井には蛍光灯が取り付けられ、立って歩ける通路もあるなど、もはや倉庫の域。生活のトラブルを助ける「カギの生活救急車」を、さらに助けている車があるというのは驚きでした。ちなみにスペアキーを作るための機械も、ほかのスタッフさんの車には1台だけでしたが、桂さんの車には刻みキー用とディンプルキー用の2台が積まれていました。
現場へ到着すると、依頼主はガス会社の方。どうやら、マンション共用部にあるガスメーターボックスの扉についている鍵が壊れてしまったとのこと。ひととおり状況を確認した桂さんに聞いてみます。
桂:経年劣化で鍵の部品が摩耗して、きちんと開閉できなくなっています。鍵の交換そのものは簡単なのですが、こちらに住まわれている方が今付いているものと同じ製品への交換を希望されているそうで、そうなってくると一気に難しくなります。
桂:この建物が建てられたのがかなり前のようで、鍵も最近ではあまり見ない古いタイプ。一般的な鍵を作っているメーカーのものならすぐ確認できるのですが、そうではない製品のため、今も作られているのかがすぐにはわかりません。もちろん廃番になっている可能性も高い。そのため、一度持ち帰ってメーカーに確認し、それから正確なお見積もりを出すとお伝えしました。
どうやら、依頼主さんはすでに他社で同じ依頼をして断られていて、どうにか同じ鍵にできないものかと思い、生活救急車にも連絡をしたとのこと。最新の鍵にパパッと交換してしまえば早いですが、依頼主の真の目的がただ「鍵をかけられるようにする」ことではなく、「今付いている鍵と同じものに交換する」ことだから、たとえ難しくてもできるだけ要望に沿った形で解決しようとされるんですね。
桂:そうなりますね。調査・見積もりは無料でやらせてもらっていますので。
桂:そうですね。ただ、この仕事は信用がとても大切。当社はこの業界で唯一の東証一部上場企業ですし、組織力を活かしてコールセンターは年中無休で受付対応もしています。また、ほかの業者さんにもあるかもしれませんが、作業に対して1年間の保証を付けていますし、ほかにも、月1回チームでワークショップを開いてサービスの向上に努めているんです。
スタッフは、皆さん身だしなみにはとくに気を使っているなんて話も聞きましたが、最初は相見積もりのためだけに呼んだり、別の業者に依頼したりしたけれども、最終的に生活救急車を選んでくれる、なんてことも多いんだそうです。
2件目の訪問先は、1件目からそれほど遠くない都内のマンション。玄関のドアノブと門扉の修理のご依頼でした。
桂:このドアはハンドルを押したり引いたりして開閉する「プッシュプル錠」というものなんですが、確認したところ、鍵自体はまだ壊れていなかったので交換の必要はありません。一度ハンドルの部品を全部取り外して、ネジを締め直していけば終了ですね。門扉のほうは、「受け金具」という部品の中のネジが緩んでガタついていたので、こちらも取り外して締め直せばOKです。
そう説明しながら、どんどん部品を外していく桂さん。
部品を取り外した部分をキレイに清掃、ネジを締め直して作業は完了。一方、門扉のほうも……
受け金具のネジを締め直して、取り付ければ完了! しかし、ここでひとつ気になったことがありました。
桂:やってできなくはないと思いますが、鍵の知識がないと何が原因でその症状が出たかがわかりませんよね。今日のドアも、もうしばらく不具合を放置して使い続けていたら、鍵にまで影響が出ていた可能性が高いです。また、ネジを締め直せばいいと思ってネジを締めた結果、鍵を壊して余計にお金がかかってしまったという事例もあります。ですから、やっぱりプロに任せていただくのが一番間違いないですよ。
あまりにスピーディに作業されるため、実は簡単な作業で、もしかしたら自分でもできるのでは?と失礼なことを考えてしまいましたが、言われてみればたしかにそのとおり。プロの作業には、知識に裏打ちされた正しい判断やこれまで培ってきた確かな技術も料金に含まれていることを肝に銘じたいと思います。
3件目は、少し離れた埼玉県に移動します。移動中に少し時間があったので、過去にあったレアな案件についてお話を伺うことに。
桂:一番は大使館でしょうか。さすがにどこかまでは言えませんが、5~6カ所は行っているんじゃないでしょうか。普通の人が入れないような場所に行くことはけっこうありますが、仕事でそうしたさまざまな施設や場所を見られるとちょっとトクした気分になれますね。
桂:それと、時々あるのがマンションなどのベランダに閉じ込められてしまうというケースですね。こういう場合、お客様はレスキューを呼ばれたりもするんですが、レスキューは救助が最優先。鍵がかかっている場所を通らなければいけない場合は、基本壊して入っていきます。一方で、私たちは鍵のプロなので、私たちを呼んでいただければ、できるだけ鍵を壊さず開けることができます。ただ、お母さんがベランダに閉じ込められて部屋に赤ちゃんが取り残されるような場合は危険なので、そういうケースでは緊急車両で早く到着できるレスキューを呼ぶのが賢明です。逆に、少し時間がかかっても大丈夫という場面であれば、私たちを呼んでいただければと思います。
桂:あとは、一番うれしかったのが、お客様に泣きながら感謝されたことですね。ご高齢の女性だったんですが、亡くなった旦那さんの大切なものが入った金庫の番号がわからなくなってしまったらしいんです。それを開けてほしいとご依頼をいただきました。それを開けたときにお客様が号泣しながら「ありがとう」とおっしゃってくれて。普通の仕事をしていて、お客様から泣くほどの感謝をされることってまずないと思うんです。そのときに、「鍵屋ってこんなに人に感謝される仕事なんだ」というのを実感して、私も胸が熱くなりました。
3件目の依頼は、ちょうど話をしていた金庫の解錠でした。金庫の解錠と言えばイメージするのは……。
桂:夢を壊すようで申し訳ないんですが、はっきり言って私たちがあれをやることはありません(笑)。
桂:まず、私たちが扱う金庫は大まかにボタン+カギ、ダイヤル+カギ、カギのみの3種類があるんです。さらに、ダイヤル+カギには、ナンバーが固定された一般的な3枚羽固定変換・4枚羽固定変換やナンバーが自由に変えられる100万変換といったものがあります。開ける場合には破壊してしまうのが一番手っ取り早く料金も安いのですが、壊したくないというお客様もいらっしゃるので、その場合にはちょっと特殊な方法で開けることになります。
金庫とひとくちに言っても、色々な種類があるんですね。しかしその特殊な方法が気になります! ぜひ見てみたい!
と思っていたら、お客様は非破壊での解錠を希望とのこと。しかし、ここからの作業風景は防犯面の都合で残念ながら写真NG。なので、ここからは文章のみでお楽しみ下さい。
依頼主の金庫は、4枚羽固定変換と呼ばれるタイプ。前回閉めたときに番号を書いた紙を誤って金庫に入れてしまい、開けられなくなってしまったそう。20年モノでかなり年季が入った金庫ですが、購入当時かなり値が張ったらしく、今後も使い続けたいとのことで非破壊を選択されました。
作業はまず、おおよそのあたりを付けるパターン表と呼ばれるものを見ながらダイヤルをあわせるところから始まります。そして、特殊な工具で金庫にガガガガガッと振動を加えていきます。すると、振動を与え始めてから10分もたたないうちに、「はい、開きました」と桂さん。
桂:色々とコツがありますから、たとえ同じ工具を使ったとしても、普通の人では簡単は開けることはできません。また、私たちも毎回同じ時間で開けられるとは限りませんが、プロであれば近い時間でできるのではないでしょうか。
そもそも聴診器を当てて、音を聞きながら慎重に慎重に開けるものだと思っていた金庫にたくさんの種類があったり、意外と豪快な方法で開いたりすることにも驚きましたが、それ以上にプロの技に感動。もしどうしても見てみたいという方は、金庫が開かなくなった際に「カギの生活救急車」を呼んでみてください!
桂さんに密着取材する前に、すでに玄関の鍵の解錠や交換は見せてもらっていましたが、今回の取材では鍵にさまざまなトラブルが発生することを体感できました。また、それらのトラブルは、生半可な知識でシロウトが直そうとするより、プロに頼むほうが早く確実に解決でき、結果として安くすむ場合もある。そんなことをしみじみ感じた1日でした。
この記事を書いた人
ライター
岡野学
1976年生まれ。東京都出身。出版社にて雑誌の編集を経験後、フリーのライターに。モノ系やマネー系の記事を中心に執筆