コウモリ駆除の対応方法|自分で安全に追い出す?業者に頼む?再発防止策も

家やベランダ、倉庫などにコウモリが住み着いてしまい、フンや鳴き声に悩まされている方もいるのではないでしょうか。
コウモリは見た目の不快感だけでなく、健康被害や建物へのダメージを引き起こす可能性もあります。しかし、コウモリは鳥獣保護管理法によって保護されているため、許可なく捕獲したり殺傷したりすることはできません。正しい知識を持って適切に対処することが非常に重要です。

この記事では、コウモリ駆除が必要な理由から、自分でできる対策、安全・確実に解決するための専門業者への依頼、そして厄介な再発を防ぐための方法まで、詳しく解説します。コウモリ被害にお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで、ご自身の状況に合った最適なコウモリ駆除方法を見つけてください。

目次

コウモリ駆除が必要な理由とリスク

「家にコウモリがいるだけなら、放っておいても大丈夫だろう」と考えていませんか?しかし、コウモリを放置することは、健康や建物に様々なリスクをもたらす可能性があります。単に不快であるというだけでなく、積極的に駆除・対策を検討すべき理由があります。

コウモリによる健康被害や病気

コウモリは、様々な病原菌や寄生虫を持っている可能性があります。特に注意が必要なのは、フンに含まれるカビや菌です。乾燥したフンを吸い込むことで、ヒストプラズマ症などの呼吸器系の病気を発症するリスクが指摘されています。厚生労働省検疫所の情報によると、ヒストプラマ症はカビの一種が原因で発症する病気であり、コウモリの生息場所などで感染リスクが高まることが指摘されています。[1] ヒストプラズマ症は軽症で済むことも多いですが、免疫力が低下している人や基礎疾患がある人は重症化する可能性もあります。

また、コウモリの体に付着しているダニやノミが室内に侵入し、人間やペットに寄生するケースも考えられます。これらの寄生虫によって、かゆみや皮膚炎、アレルギー症状などが引き起こされることがあります。さらに、ごく稀ではありますが、コウモリが媒介する狂犬病などの感染症のリスクもゼロではありません。これらの健康被害を防ぐためにも、早期の駆除や対策が望ましいと言えます。

[1]: 厚生労働省検疫所: ヒストプラズマ症について – https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name71.html

建物への被害と悪臭

コウモリが同じ場所に長期間住み着くと、大量のフンが堆積します。このフンは建材を腐食させたり、シミを作ったりする原因となります。特に、屋根裏や壁の内部、軒下などにフンが溜まると、断熱材が傷んだり、木材が腐朽したりして、建物の耐久性を損なう可能性があります。また、コウモリは狭い隙間に入り込むため、換気口や通気口、シャッターボックスなどを詰まらせてしまい、建物の機能低下を招くこともあります。

さらに、大量のフンやコウモリそのものから発生する悪臭も大きな問題です。強烈なアンモニア臭のような悪臭が室内にまで漂ってくることもあり、非常に不快な生活環境となります。この悪臭は、新たなコウモリを呼び寄せてしまう可能性も指摘されています。建物を清潔に保ち、快適な生活空間を維持するためにも、コウモリとそのフンへの対処は欠かせません。

コウモリを自分で駆除する方法

コウモリを自分で駆除する際は、まず「追い出す」ことだけが許可されている行為であることを理解しておく必要があります。捕獲や殺傷は法律で禁止されています。ここでは、自分でコウモリを追い出すための準備や方法、そして重要な注意点について詳しく解説します。

自分でコウモリを追い出す準備

自分でコウモリ駆除を行うには、いくつかの準備が必要です。最も重要なのは、自身の安全を確保するための装備です。コウモリのフンには病原菌が含まれている可能性があるため、マスクやゴーグルは必ず着用しましょう。作業中にコウモリに触れたり、咬まれたりするリスクも考慮し、厚手の手袋(革手袋など)や、体を保護するための長袖長ズボン、帽子も着用してください。使い捨ての作業着やカッパなどを着用すると、作業後にそのまま捨てられるので便利です。

また、作業場所周辺の養生も重要です。特にフンが落ちてくる可能性がある場所には、新聞紙やビニールシートなどを敷いておくと、後片付けが楽になります。高所での作業になる場合は、安定した脚立やはしごを用意し、必ず二人以上で作業を行うなど、転落防止に最大限の注意を払いましょう。コウモリが侵入している場所を確認するための懐中電灯や、追い出し後のフン清掃に必要なブラシ、ちりとり、丈夫なゴミ袋なども事前に準備しておきます。

コウモリを追い出すのに適した時間帯は、コウモリが巣からエサを求めて飛び立つ夕方から夜にかけてか、エサを食べ終えて巣に戻る前の早朝です。この時間帯を狙って作業を開始すると、より効果的にコウモリを追い出せます。

効果的なコウモリの追い出し方(忌避剤・光・音波)

コウモリを追い出すためには、彼らが嫌がるニオイ、光、音波などを利用します。いくつかの方法を組み合わせることで、より効果を高めることが期待できます。

忌避剤:
コウモリが嫌がる特定のニオイを発する忌避剤は、自分でできる駆除方法として最も一般的です。スプレータイプ、ジェルタイプ、固形タイプなど様々な形状があります。

  • スプレータイプ: コウモリが潜んでいそうな隙間や、侵入経路の周辺に直接噴射して使用します。即効性がありますが、効果の持続時間は比較的短い傾向があります。換気口の隙間や、瓦の下など、ピンポイントで狙いたい場所に便利です。ハッカ成分などを含む製品が多いです。
  • ジェルタイプ: 侵入経路になりそうな場所に塗布して使用します。スプレーよりも効果が長持ちするものが多いです。軒天の隙間やシャッターボックスの隙間など、塗布できる場所に適しています。
  • 固形タイプ: 吊り下げたり置いたりして使用します。屋根裏全体など、比較的広い範囲にニオイを拡散させたい場合に適しています。ナフタリン系の製品などがあります。ただし、ニオイが強い製品は、室内にまでニオイが漂う可能性があるので注意が必要です。

忌避剤を使用する際は、必ずコウモリが中にいないことを確認してから、彼らの出入り口となる隙間に向かって使用します。出口を一つだけ開けておき、そこから逃げ出すように誘導するのがポイントです。

光:
コウモリは夜行性のため、強い光を嫌がる性質があります。LEDライトやセンサーライトなどを、コウモリの出入り口や巣があると思われる場所に向けて設置すると、コウモリが嫌がって近づきにくくなります。ただし、コウモリは環境に慣れやすい生き物でもあるため、光だけでは完全に追い出すのが難しい場合や、一時的な効果に終わることもあります。

音波:
人間には聞こえない高周波の音(超音波)を発生させる装置も市販されています。コウモリが嫌がる周波数の音を出すことで、その場所から追い出すことを目指します。設置場所や障害物の影響を受けやすく、効果範囲が限られること、またコウモリが音に慣れてしまう可能性があることから、これも単独での効果は限定的かもしれません。

これらの追い出し方法は、あくまで一時的な効果を期待するものです。最も重要なのは、コウモリを追い出した後に、彼らが再び侵入できないように徹底的に対策を行うことです。

自分でコウモリ駆除する際の注意点(法律・時期)

自分でコウモリ駆除を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを怠ると、法律違反になったり、危険な状況に陥ったりする可能性があります。

まず、最も重要なのは鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)です。日本のコウモリ(アブラコウモリなど)は、この法律によって保護対象とされており、原則として許可なく捕獲したり殺傷したりすることは禁止されています。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。自分でできる駆除は、あくまで「追い出す」こと、そして追い出した後の「侵入経路を塞ぐ」こと、そして「フンを清掃する」ことのみです。

次に、コウモリを追い出す時期も重要です。コウモリの繁殖期は主に夏(6月〜8月頃)です。この時期に親コウモリを追い出してしまうと、巣に残された子供が餓死してしまう可能性があります。また、冬場(11月〜3月頃)はコウモリの活動が鈍くなるため、追い出し作業自体が難しくなります。自分で駆除を行うのに最適な時期は、繁殖期や冬眠期ではない春先(4月〜5月頃)か、秋口(9月〜10月頃)と言われています。

また、安全性にも十分配慮が必要です。コウモリが潜んでいる場所は、屋根裏や壁の隙間など、高所や狭く暗い場所が多いです。不安定な場所での作業は転落のリスクを伴います。さらに、フンやコウモリそのものに触れることによる病原菌や寄生虫感染のリスクもあります。必ず適切な安全装備を着用し、無理な作業は避けましょう。体調が優れない時や、一人での高所作業は絶対に避けてください。

自分でできる駆除方法には限界があることも理解しておく必要があります。一時的に追い出せても、完全に侵入経路を特定して封鎖しない限り、再侵入される可能性が高いです。また、大量のフンを安全かつ完全に清掃・消毒する作業も、一般の方には非常に困難です。被害が大きい場合や、高所など危険な場所での作業が必要な場合は、専門業者に依頼することを強く検討しましょう。

コウモリ駆除を業者に依頼する場合

自分でコウモリ駆除を行うのは、法律の制限や安全性の問題、そして効果の限界があります。被害が深刻な場合や、自分で作業するのが難しい場合は、専門業者に依頼するのが最も安全かつ確実な方法です。

業者に依頼するメリット・デメリット

コウモリ駆除を専門業者に依頼することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット:

  • 安全・確実な駆除: 専門的な知識、経験、技術を持ったプロが作業を行います。安全装備も適切に着用し、高所作業なども慣れているため、事故のリスクを最小限に抑えられます。鳥獣保護管理法を遵守した合法的な方法でコウモリを追い出してくれます。
  • 徹底した再発防止策: コウモリの習性を熟知しており、隠れた侵入経路も正確に特定できます。耐久性の高い専門の資材を使用して、再侵入できないように徹底的に封鎖してくれます。
  • フン清掃・消毒まで対応: 大量のフンやそれに伴う病原菌、ダニ・ノミの処理も専門的な方法で行います。清掃だけでなく、強力な薬剤を使った消毒や消臭まで対応してくれるため、衛生面での不安を解消できます。
  • 保証制度: 多くの信頼できる業者は、一定期間の再発保証制度を設けています。万が一、作業後にコウモリが再侵入した場合でも、無償で対応してくれるため安心です。
  • 時間と手間がかからない: 自分で準備や作業をする必要がなく、時間や手間を大幅に省けます。忙しい方にとっては大きなメリットです。

デメリット:

  • 費用がかかる: 自分で材料を揃えて行うよりも、当然ながら費用は高くなります。被害状況や建物の構造によって費用は変動します。
  • 業者選びの手間: 多くの駆除業者の中から、信頼できる業者を選ぶ必要があります。

費用はかかりますが、安全性、確実性、そして再発防止の観点から見ると、専門業者への依頼は非常に有効な選択肢と言えます。

失敗しないコウモリ駆除業者の選び方

コウモリ駆除業者は数多く存在するため、どこに依頼すれば良いか迷うこともあるでしょう。失敗しないために、以下のポイントを比較検討して、信頼できる業者を選びましょう。どのような業者を選べば良いか迷った際は、公益社団法人日本ペストコントロール協会のウェブサイトなどで紹介されている加盟業者選定のポイントも参考にすると良いでしょう。[2]

比較項目 チェックポイント
実績・経験 コウモリ駆除の実績が豊富か? コウモリの生態や習性を熟知しているか? ホームページなどで過去の実績を確認しましょう。
許可・登録 各都道府県の「鳥獣捕獲等事業」の認定を受けているか? 狩猟免許や pest control 関連の資格を持ったスタッフがいるか?
料金体系 事前に現地調査を行い、詳細な見積もりを提示してくれるか? 見積もりの内訳は明確か? 追加料金が発生する可能性について説明があるか?
保証制度 再発した場合の保証期間や対応内容は明確か? 書面で提示されるか?
対応 問い合わせ時の電話対応やメール対応は丁寧か? 現地調査の際の説明は分かりやすいか? 質問に丁寧に答えてくれるか?
口コミ・評判 Googleマップ、SNS、地域の口コミサイトなどで、実際に利用した人の評判や評価を確認しましょう。

複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、サービス内容、保証、担当者の対応などを比較検討することが重要です。極端に安い見積もりを提示する業者には注意が必要です。必要な作業が含まれていなかったり、後から高額な追加料金を請求されたりするケースもあります。必ず見積もりの内容を細部まで確認し、不明な点は納得いくまで質問しましょう。

[2]: 公益社団法人日本ペストコントロール協会: 失敗しない害虫駆除業者の選び方 – https://hw-control.or.jp/guide/4824

コウモリ駆除にかかる費用相場と内訳

コウモリ駆除にかかる費用は、被害の程度、コウモリの数、建物の構造、作業箇所、使用する資材などによって大きく変動します。そのため、一概にいくらとは言えませんが、一般的な費用相場と内訳を知っておくことは、業者を選ぶ上で参考になります。

一般的な費用相場:

  • 軽度の被害(数匹程度、侵入経路が限定的): 数万円 ~ 10万円程度
  • 中程度の被害(ある程度の群れ、複数の侵入経路、フンが堆積): 10万円 ~ 30万円程度
  • 重度の被害(大規模な群れ、建物全体に影響、大量のフン、建材の損傷): 30万円以上

この金額はあくまで目安であり、建物の高さ(高所作業費)、作業の難易度(足場が必要かなど)、使用する封鎖材の種類や量、フン清掃・消毒の範囲などによって大きく変動します。

費用に含まれる主な内訳:

  • 現地調査費: コウモリの種類、生息状況、侵入経路、被害状況などを調査するための費用です。無料で行っている業者も多いです。
  • 追い出し作業費: 忌避剤の使用や特殊な機器などを用いてコウモリを追い出すための費用です。
  • 清掃・消毒費: 堆積したフンの清掃や、病原菌・ダニ・ノミを駆除するための消毒作業にかかる費用です。フンの量や作業範囲によって大きく変わります。
  • 侵入経路封鎖費: コウモリが再び侵入できないように、隙間などを資材で塞ぐための費用です。使用する資材の種類(金網、パンチングメタル、コーキング材など)や封鎖箇所の数、難易度によって費用が変わります。
  • 諸経費: 足場設置費用、高所作業費、交通費などが含まれる場合があります。

見積もりを受け取る際は、これらの項目が明確に記載されているか、何にいくらかかるのかを細かく確認しましょう。不明な点があれば遠慮なく質問し、納得した上で契約することが重要です。

業者に依頼する際の流れ

コウモリ駆除を業者に依頼する際の一般的な流れは以下の通りです。業者によって若干異なる場合もありますが、大まかな流れを把握しておくとスムーズに進められます。

  1. 問い合わせ: 電話や業者のウェブサイトから問い合わせを行います。被害状況や困っていることなどを伝えます。
  2. 現地調査・見積もり: 専門スタッフが実際に自宅を訪問し、コウモリの種類、生息状況、侵入経路、被害の程度などを詳しく調査します。調査結果に基づいて、駆除方法、作業内容、費用などを記載した見積もりが提示されます。この際に、作業内容や費用について十分に説明を受け、疑問点があれば質問しましょう。
  3. 契約: 見積もり内容に納得できれば、正式に契約を締結します。
  4. 駆除作業: 契約内容に基づき、プロの技術と安全装備で駆除作業が行われます。まず忌避剤などを用いてコウモリを安全に追い出し、その後に残されたフンの清掃・消毒を行います。最後に、コウモリの侵入経路を特定し、専用の資材を用いて徹底的に封鎖します。
  5. 作業完了確認・支払い: 作業が完了したら、依頼主が作業内容を確認します。問題がなければ料金を支払い、領収書などを受け取ります。
  6. アフターフォロー・保証: 多くの信頼できる業者は、作業後も一定期間の保証期間を設けています。期間内に万が一コウモリが再侵入した場合は、無償で再対応してもらえます。

業者によっては、作業の進捗状況を写真などで報告してくれたり、作業内容に関する詳細な報告書を作成してくれたりする場合もあります。どのようなサービスがあるか、事前に確認しておくと良いでしょう。

コウモリを寄せ付けない再発防止策

コウモリを一時的に追い出すだけでは、高い確率で再び侵入されてしまいます。最も重要なのは、コウモリが家に侵入できないように徹底的な対策を行うことです。再発防止策は、自分で駆除する場合でも、業者に依頼する場合でも、必ず行うべき工程です。

コウモリの侵入経路 特定と封鎖

コウモリが家に侵入するのは、わずかな隙間があるからです。彼らは体が柔軟で、1〜2cm程度の隙間があれば容易に入り込めてしまいます。再発防止のためには、まず家のどこにそのような隙間があるのかを正確に特定することが重要です。

コウモリが侵入しやすい主な場所:

  • 換気口(特に外側のカバーが破損していたり、網がなかったりする場合)
  • 軒天と壁の隙間
  • 瓦の下やズレた部分
  • 屋根と壁の取り合い部分
  • エアコン配管の貫通部分の隙間
  • シャッターボックスの内部
  • 壁のひび割れや欠け
  • 戸袋や雨戸の隙間

侵入経路を特定するためには、フンが落ちている場所の近くや、夕方から夜にかけてコウモリが出入りする場所を観察するのが有効です。

侵入経路を特定したら、次にその隙間を徹底的に封鎖します。使用する資材は、耐久性があり、コウモリにかじられたり壊されたりしない丈夫なものを選ぶ必要があります。

封鎖に使用する主な資材:

  • パンチングメタルや金網: 換気口など、空気の通りが必要な場所に。目の細かいもの(数ミリ以下)を選び、隙間なくしっかりと固定します。
  • コーキング材やパテ: 壁のひび割れや配管周りの隙間など、比較的小さな隙間に。弾力性があり、外部の環境変化にも強いものが適しています。
  • ウレタンフォーム: 比較的大きな隙間を一時的に塞ぐのに便利ですが、コウモリにかじられる可能性があるので、上から別の資材でカバーするのが望ましいです。
  • 板材など: 大きな開口部などに使用します。

封鎖作業を行う際の最大のポイントは、コウモリが建物の中にいないことを確認してから行うことです。もし中にコウモリが閉じ込められてしまうと、別の場所に被害が広がったり、建物の中で死骸となって悪臭や新たな問題を引き起こしたりします。追い出し作業が完了し、コウモリが完全に外に出ている時間帯(日中など)に行うようにしましょう。また、考えられるすべての隙間を徹底的に塞ぐことが重要です。一つでも隙間が残っていると、そこから再び侵入される可能性があります。

定期的な点検と清掃の重要性

一度コウモリの駆除と侵入経路の封鎖を行っても、時間が経つと建物に新たな隙間ができたり、既存の封鎖箇所が劣化したりする可能性があります。そのため、定期的な点検を行い、早期に問題を発見・対処することが再発防止には欠かせません。

特に、コウモリが侵入しやすかった場所や、封鎖した箇所は重点的にチェックしましょう。年に一度など、時期を決めて点検を行うのがおすすめです。屋根や外壁などを目で見て、ひび割れや隙間がないか、封鎖材が剥がれていないかなどを確認します。

また、コウモリのフンが見つかった場合は、速やかに清掃することが重要です。フンを放置すると、悪臭やダニ・ノミの発生源となるだけでなく、新たなコウモリを呼び寄せるサインにもなります。フン清掃を行う際は、必ずマスク、手袋、ゴーグルを着用し、直接触れないように注意してください。乾燥したフンは舞い上がりやすく危険なので、スプレーなどで少し湿らせてから丁寧に集め、丈夫な袋に入れてしっかりと密封して捨てましょう。清掃後には、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤を使って、フンがあった場所をしっかりと消毒することも忘れずに行ってください。

定期的な点検と適切な清掃を習慣づけることで、万が一コウモリが再侵入しようとしても、早期に発見して被害を最小限に抑えることができます。建物を良好な状態に保つことは、コウモリだけでなく、他の害獣や害虫の対策にもつながります。

コウモリ駆除に関するよくある質問

ここでは、コウモリ駆除に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問を解消し、適切な対処に役立ててください。

コウモリはどこから家の中に侵入しますか?

コウモリは非常に体が小さく柔軟なため、わずか1〜2cm程度の隙間があれば簡単に侵入できます。主な侵入経路としては、換気口(特に外側のカバーが破損している場合)、軒天と壁の隙間、屋根瓦の隙間やズレ、壁のひび割れや欠け、エアコン配管の隙間、シャッターボックスの内部、雨戸や戸袋の隙間などが挙げられます。特に、建物の外周部にある高所の隙間から侵入することが多いです。夕方から夜にかけて、家から出ていく様子や戻ってくる様子を観察すると、侵入経路を特定できる場合があります。

コウモリが家に一匹だけいたらどうすれば良いですか?

一時的に迷い込んでしまった可能性も考えられます。すぐに追い出そうとせず、窓を開けて様子を見てみましょう。自分で外に出ていくことがあります。もし追い出す場合は、安全装備(マスク、手袋、ゴーグルなど)を必ず着用し、新聞紙やタオルなどで優しく誘導して外に出してあげてください。殺傷は絶対にしないでください。一匹だけだと思っていたら、実は屋根裏などにたくさんの仲間が潜んでいた、というケースも珍しくありません。同じ場所に繰り返しコウモリを見かける場合は、巣を作っている可能性が高いので、専門業者に相談することをおすすめします。

コウモリのフンは危険ですか?正しい処理方法は?

コウモリのフンには、ヒストプラズマ症などの呼吸器系の病気を引き起こす可能性のあるカビや菌が含まれている場合があります。また、ダニやノミなどの寄生虫が付着していることもあります。そのため、素手で触ったり、乾燥したフンを吸い込んだりするのは非常に危険です。

フンを処理する際は、必ずマスク(高性能なもの)、使い捨ての手袋、ゴーグルを着用してください。フンが乾燥している場合は、掃除機を使うと排気で病原菌が舞い散る可能性があるため避けましょう。スプレーなどで少し湿らせてから、ちりとりやブラシで丁寧に集めます。集めたフンは、二重にした丈夫なゴミ袋に入れてしっかりと口を閉じ、可燃ゴミとして処分します。フンがあった場所は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤を使ってしっかりと拭き掃除・消毒を行います。作業後は、使用した手袋などを適切に処分し、手洗いとうがいを徹底してください。大量のフンや高所のフン清掃は、専門業者に依頼するのが安全です。

コウモリの鳴き声がうるさいのですが対策はありますか?

コウモリは「キィキィ」や「チチチ」といった超音波のような鳴き声を発します。この鳴き声が屋根裏や壁の中から聞こえてくると、非常に不快で眠れないこともあります。鳴き声が聞こえるということは、その場所にコウモリが潜んでいる証拠です。一時的な対策として、鳴き声が聞こえる場所の近くに超音波発生器を置いたり、強い光を当てたりすることで、コウモリが嫌がって移動する可能性があります。しかし、これらの方法は効果が限定的であったり、コウモリが慣れてしまったりすることがあります。鳴き声の根本的な解決には、コウモリを追い出し、侵入経路を完全に封鎖するしかありません。

コウモリは冬眠しますか?冬場の駆除は可能ですか?

日本のコウモリ(アブラコウモリ)は、一般的に完全な冬眠はしないとされていますが、冬場は活動が鈍くなり、暖かい場所(建物の隙間など)に集まってじっとしていることが多くなります。これを冬ごもりと呼ぶこともあります。完全に活動を停止するわけではないため、全く駆除ができないわけではありませんが、動きが鈍いため追い出しが難しく、また集まっている数が多い可能性もあるため、冬場の駆除はあまり推奨されません。駆除を行うのに適した時期は、彼らが活発に動き出す春先や、ねぐらから出ていく秋口です。

まとめ:安全・確実なコウモリ駆除のために

コウモリの被害は、単なる不快感にとどまらず、健康被害や建物へのダメージにもつながる深刻な問題です。自分でできる対策もありますが、コウモリは法律で保護されており、安全上のリスクや効果の限界もあります。特に、高所での作業や大量のフン処理は危険を伴います。

安全かつ確実にコウモリの問題を解決し、厄介な再発を防ぐためには、専門業者への依頼が最も推奨される方法です。専門業者は、コウモリの生態や習性を熟知しており、適切な方法で追い出しを行い、フン清掃・消毒、そして最も重要な侵入経路の徹底的な封鎖まで一貫して対応してくれます。また、多くの業者が再発保証制度を設けているため、安心して任せることができます。

コウモリ被害にお悩みの方は、まずは信頼できる専門業者に相談し、現地調査と見積もりを依頼してみましょう。複数の業者を比較検討することで、ご自身の状況に最適なサービスを見つけることができます。早期の対策が、被害の拡大や再発を防ぐための鍵となります。

※本記事はコウモリ駆除に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の業者を推奨するものではありません。実際の駆除作業や業者選びに関しては、ご自身の判断と責任において行うようお願いいたします。作業の際は安全に十分配慮してください。

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