【給湯器が噴水!】原因は凍結?緊急時の止め方・修理方法を解説

ある日突然、自宅の給湯器からまるで噴水のように水が吹き出していたら、誰しもパニックに陥ってしまうでしょう。給湯器の噴水は、単なる水漏れではなく、重大なトラブルのサインである可能性があります。放置しておくと、家財への浸水被害だけでなく、給湯器本体のさらなる故障や、場合によってはガス漏れや一酸化炭素中毒といった危険な事故につながる恐れもあります。

この記事では、大切な給湯器が噴水状態になってしまった際に、落ち着いて対処できるよう、その主な原因、潜む危険性、そしてご自身でできる緊急対処法や専門業者に依頼すべきケース、さらには予防策について詳しく解説します。

目次

給湯器から水が噴水のように吹き出す!その主な原因

給湯器から勢いよく水が噴き出す「噴水現象」は、いくつかの原因が考えられます。まずは、どのような原因でこのような状況が発生するのかを理解しましょう。

給湯器が噴水のように水を噴き出す主な原因は以下の通りです。

  • 配管の凍結・破裂: 特に冬場に多い原因です。給湯器本体やそれに接続されている配管内部の水が凍結すると体積が膨張し、その圧力に耐えきれなくなった配管が破裂することがあります。気温上昇で凍結が溶けると、破裂箇所から勢いよく水が噴き出します。
  • 経年劣化による内部部品の破損: 長年使用している給湯器は、熱交換器や減圧弁、安全弁といった内部部品が劣化して破損し、そこから水が漏れ出し、噴水のような状態になることがあります。
  • 接続部の緩みや劣化: 給湯器本体と配管を接続している部分のパッキンやナットが、振動や経年劣化で緩んだり劣化したりすると、水漏れが発生し、水圧によっては噴水のように見えることがあります。
  • 異常な水圧の上昇: ごく稀ですが、水道管からの供給水圧が異常に高くなり、給湯器内部の部品が圧力に耐えきれずに破損して水漏れを引き起こすケースもあります。

これらの原因をまとめると、以下のようになります。

原因 考えられる被害/リスク 主な予防策/対処の方向性
配管の凍結・破裂 水漏れ、家財被害、給湯器本体の故障 凍結防止対策(ヒーター、保温材、水抜き、微量の通水など)
経年劣化による破損 水漏れ、本体故障、高額な修理費用 定期点検、寿命前の交換検討
接続部の緩み・劣化 水漏れ、周囲への被害 定期的な点検時の確認
異常な水圧の上昇 水漏れ、部品破損 水道供給側の問題(専門業者へ相談)

給湯器の噴水現象が示す危険性

給湯器が噴水状態になっているのを放置すると、様々な危険性が伴います。決して軽視せず、迅速な対応が必要です。

噴水現象を放置する危険性は以下の通りです。

  • 本体内部への浸水による故障拡大: 噴き出した水が給湯器本体の内部に浸水すると、電子基板などの精密部品が故障し、修理不可能な状態になったり、修理費用が高額になったりする可能性があります。
  • 周囲への水濡れ・カビ発生: 噴き出した水で壁や床、家財などが水浸しになり、カビの発生や建材の腐食など、二次的な被害が生じる可能性があります。
  • 一酸化炭素中毒のリスク: 万が一、噴き出した水が燃焼部分にかかったり、排気系統に異常をきたしたりすると、不完全燃焼を誘発し、一酸化炭素が発生するリスクが高まります。噴水と同時にガス臭がする場合や、気分が悪くなる場合は特に注意が必要です。
  • ガス漏れのリスク: 激しい水漏れによって給湯器本体が大きく損傷した場合などには、ガス漏れを引き起こす危険性も考慮に入れる必要があります。ガス臭がする場合は、絶対に火気を使用せず、換気を行い、すぐにガス会社に連絡してください。

給湯器が噴水になった場合の緊急対処法

給湯器が噴水のように水を噴き出しているのを発見したら、慌てず、まずは安全を確保するための応急処置を行いましょう。

緊急時にご自身でできる応急処置は以下の手順です。ただし、ご自身の安全が確保できない状況や、作業に不安がある場合は無理をせず、すぐに専門業者に連絡しましょう。

  1. まず給湯器の運転を停止する: 給湯器のリモコンで運転を停止します。リモコンがない場合や操作できない場合は、次のステップに進みます。
  2. 給水元栓または止水栓を閉める: 給湯器に繋がっている水道の給水元栓(本体の下部または近く)を閉めて、水の供給を止めます。場所が分からない場合や固くて閉められない場合は、家全体の水道の止水栓を閉めてください。
  3. 電源プラグを抜く: 感電の危険性を避けるため、給湯器の電源プラグをコンセントから抜いてください。水濡れがひどい場合は、ブレーカーを落としてから作業するなど、安全に十分注意してください。
  4. 水漏れ箇所の確認(危険のない範囲で): 水の噴出が止まったら、どこから水が漏れているのかを、安全な範囲で確認してみてください。無理に給湯器のカバーを開けたり、部品に触れたりするのは危険ですので避け、あくまで目視できる範囲での確認に留めましょう。

業者に修理・点検を依頼すべきケース

応急処置で一時的に水の噴出を止めることができたとしても、給湯器が噴水状態になった場合は、基本的に専門業者による点検・修理が必要です。

専門業者に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 原因の正確な特定と適切な修理: 専門知識と経験に基づき、原因を正確に特定し、適切な修理を行います。自己判断での対処による状況悪化を防ぎます。
  • 安全性の確認: 修理後には、給湯器が安全に使用できる状態であるか、専門的な視点からチェックを受けられます。
  • 修理費用の見積もり: 修理にかかる費用について、事前に明確な見積もりを提示してもらえます。

特に以下のような場合は、迷わず専門業者に連絡しましょう。

  • 応急処置をしても水の噴出が止まらない
  • 水漏れの原因が特定できない
  • 給湯器から異音や異臭(特にガス臭)がする
  • 給湯器が古い(一般的に10年以上使用)
  • 自分で対処することに不安がある

噴水現象を予防するには

給湯器の噴水現象は突然起こる可能性がありますが、日頃の心がけや定期的なメンテナンスによって、そのリスクを低減することができます。

冬場の凍結対策

気温が氷点下に下がる地域では、給湯器や配管の凍結対策が重要です。

  • 給湯器の凍結予防ヒーターが正常に作動しているか確認しましょう。
  • 配管に保温材を巻くことも有効です。
  • 長期間留守にする場合は、給湯器の水抜きを行う(取扱説明書を確認)。
  • 水道代はかかりますが、少量の水を流し続けることも凍結防止に効果的です。

定期的な点検

少なくとも数年に一度は、専門業者による定期点検を受けることをお勧めします。点検によって、経年劣化している部品や、水漏れの兆候などを早期に発見し、大きなトラブルになる前に対処することができます。

寿命を迎える前の交換検討

給湯器の寿命は、一般的に10年~15年程度と言われています。寿命が近づいている給湯器は、突然故障したり、噴水のような水漏れを起こしたりするリスクが高まります。大きなトラブルが発生する前に、計画的に交換を検討することも、結果的に被害を最小限に抑えることにつながります。


給湯器が噴水のように水を噴き出すという事態は、非常に驚かれることと思いますが、まずは落ち着いて本記事で紹介した応急処置を行い、安全を確保してください。そして、速やかに専門業者に連絡し、適切な点検・修理を依頼することが重要です。日頃からの予防策と合わせて、安心して給湯器を使用できる環境を整えましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に対する診断や対処法を保証するものではありません。給湯器のトラブルに関しては、必ず専門業者にご相談ください。

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