シバンムシを見つけてしまい、「一体この虫は何?」「どうすればいなくなるの?」と不安に感じていませんか?小さな体ながら、増殖力が高く、放っておくと食品や乾燥食品をダメにしてしまう厄介な害虫、それがシバンムシです。
このガイドでは、シバンムシの正体から、ご自宅での効果的な駆除方法、再発防止策、そしてどうしても手に負えない場合の専門業者への依頼まで、あなたが知りたい情報を網羅して解説します。この記事を読めば、シバンムシの悩みから解放されるための一歩を踏み出せるはずです。
シバンムシとは?特徴と生態を知る
「シバンムシ」と聞いてもピンとこない方もいるかもしれませんが、乾麺や乾物、畳などから発生することで知られる小さな茶色い甲虫の仲間です。家の中に現れたら、それは何らかの発生源があるサイン。まずはその正体と生態を理解することが、適切な駆除と対策の第一歩となります。
シバンムシの種類と見分け方
日本で一般家庭に発生するシバンムシとして代表的なのは、「タバコシバンムシ」と「ジンサンシバンムシ」の2種類です。どちらも見た目がよく似ていますが、微妙な違いがあります。
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タバコシバンムシ: 体長は約2~3mm。全体的に丸みを帯びた卵形をしており、赤褐色〜茶褐色をしています。触角の先端3節が特に太くなっているのが特徴です。乾燥食品全般を食害することで知られています。
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ジンサンシバンムシ: 体長は約2~3mm。タバコシバンムシよりやや細長く、筒形に近い体形をしています。色は赤褐色〜茶褐色。触角はタバコシバンムシのように先端が太くはなっていません。乾燥食品だけでなく、畳や木材なども食害することがあります。
素人が正確に見分けるのは難しいことも多いですが、どちらの種類も駆除方法や対策はほぼ共通しているため、過度に神経質になる必要はありません。まずは「これがシバンムシだ」と認識することが重要です。
シバンムシの大きさ、形、色
シバンムシの成虫は、体長がわずか2mmから3mm程度と非常に小さいです。色は赤褐色から茶褐色をしており、動きは比較的ゆっくりしています。形は種類によって多少異なりますが、多くは丸みを帯びた卵形か、やや細長い筒形をしています。
あまりにも小さいため、最初はゴミやホコリのかたまりのように見えることもあります。しかし、よく見ると小さいながらも甲虫らしい硬い体をしており、触角や短い脚を確認できます。壁や床を歩いているのを見つけたら、シバンムシである可能性が高いでしょう。
シバンムシの寿命と繁殖力(一匹いたらどうなる?)
シバンムシの成虫の寿命は、わずか10日から3週間程度と比較的短いです。しかし、問題はその高い繁殖力にあります。メスの成虫は、乾燥食品や発生源となりうる場所に数百個の卵を産み付けます。卵から孵化した幼虫が食害を続け、サナギを経て短期間で成虫になります。
「一匹シバンムシを見かけた」ということは、すでに家の中に卵や幼虫、サナギ、そして他の成虫が潜んでいる可能性が非常に高いというサインです。見かけた一匹を駆除しても、発生源が残っていれば次々と新しい成虫が発生し、すぐに大量発生につながってしまいます。そのため、一匹見つけたらすぐに「発生源があるはずだ」と考え、その場所を探すことが非常に重要になります。
シバンムシが発生しやすい時期と環境
シバンムシは、高温多湿な環境を好みます。特に活動が活発になるのは、気温が20℃を超え、湿度が高くなる梅雨時から夏にかけて(概ね6月〜9月頃)です。暖房の効いた室内では、冬でも発生することがあります。
また、シバンムシは乾燥した動植物質をエサとします。具体的には、以下のような場所や物が主な発生源となります。
- キッチン周りの乾燥食品(乾麺、パスタ、ビスケット、菓子類、パン粉、お好み焼き粉、ペットフードなど)
- 香辛料やハーブ類
- ゴマやナッツ類
- 畳の内部や古い木製品
- ドライフラワー、漢方薬、古い和紙など
これらの「エサ」となる物が、湿度や温度の高い環境に放置されていると、シバンムシにとって最適な繁殖場所となってしまうのです。
シバンムシの発生源を徹底的に探す方法
シバンムシ駆除の最も重要なステップは、発生源を特定して取り除くことです。シバンムシを見かけても、成虫だけを駆除しても根本的な解決にはなりません。幼虫が潜んで食害を続けている「巣」を見つけ出す必要があります。
シバンムシが好む場所と主な発生源
シバンムシは、幼虫時代を発生源となる物の中で過ごします。成虫になるとその場所から出てきて、新たな発生源を探して移動したり、交尾のために飛び回ったりします。そのため、成虫を見かけた場所の近くに発生源がある可能性が高いと考えられます。
具体的な発生源となりやすい場所や物は以下の通りです。
食品に発生するシバンムシ
キッチンや食品庫が最も疑われる場所です。シバンムシは特に以下のような乾燥食品を好みます。
- 乾麺(うどん、そば、パスタなど)
- 小麦粉、米粉、片栗粉などの粉類
- ビスケット、クッキー、せんべいなどの菓子類
- パン粉
- ペットフード(ドッグフード、キャットフード、鳥の餌など)
- 香辛料、唐辛子、ハーブ類
- ゴマ、ナッツ類
- ドライフルーツ
- チョコレート
- 出汁パック、昆布、干ししいたけなどの乾物
これらの食品が開封された状態で長期間保管されていたり、袋に穴が開いていたりすると、シバンムシが侵入しやすく、発生源となるリスクが高まります。特に、戸棚の奥にしまい込んだまま忘れているような古い食品は要注意です。
畳や木材に発生するシバンムシ
ジンサンシバンムシは、食品以外にも畳や木材を食害することがあります。
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古い畳: 畳の内部にはワラや乾燥した植物質が含まれているため、シバンムシの発生源となることがあります。畳の縁や隙間からシバンムシが出てくる場合は要注意です。
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古い木製品: 乾燥した木材でも発生することがあります。古い家具や置物、木彫り品なども確認しましょう。
その他の発生源(ドライフラワー、ペットフードなど)
意外な物がシバンムシの発生源になることもあります。
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ドライフラワー: 乾燥した植物そのものであるため、発生源となることがあります。
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漢方薬: 生薬が乾燥した植物質であるため、稀に発生源になることがあります。
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標本: 昆虫標本や植物標本からも発生することがあります。
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古い和紙や書籍: 糊などが餌になることがあります。
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ペットフード: 特に開封済みのものや、袋のまま保管されているものはリスクが高いです。
### 発生源が分からない場合の効率的な探し方
シバンムシは小さな虫なので、発生源を特定するのは根気がいる作業です。闇雲に探すのではなく、効率的に行うためのヒントをいくつかご紹介します。
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シバンムシを見かけた場所の周辺を重点的に探す: 成虫は発生源から出てくることが多いです。よく見かける場所から半径数メートル以内にある物を片っ端からチェックしましょう。
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戸棚や引き出しの奥、物の隙間を確認する: シバンムシは暗くて狭い場所を好みます。戸棚の奥、引き出しの中、食品の袋の折り目や隙間などを入念に調べましょう。
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怪しい食品は袋ごとチェックする: 粉類や乾麺などの袋の表面に小さな穴が開いていないか、内部にシバンムシの成虫や幼虫、糞がないかを確認します。
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畳の場合は縁や隙間を調べる: 畳の表面を軽く叩いたり、縁の隙間をライトで照らしたりして、シバンムシが出てこないか確認します。
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夜間に活動することもある: シバンムシは夜間にも活動することがあります。夜中にキッチンや食品庫を静かに覗いてみると、活動している成虫を見つけやすい場合があります。
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幼虫の痕跡を探す: 発生源には、シバンムシの幼虫(乳白色の小さなイモムシ状)や、食品の粉が固まったようなもの、小さな糞(フン)が残されていることがあります。これらの痕跡を見つけたら、その物が発生源である可能性が高いです。
複数の場所でシバンムシを見かける場合は、発生源が複数あるか、発生源から広範囲に広がっている可能性があります。根気強く探すことが重要です。
シバンムシが大量発生する原因
シバンムシが大量発生してしまう主な原因は、発生源が発見されずに放置されていることです。見つけた成虫をその都度駆除しても、発生源となる食品や物が残っている限り、幼虫が成長して次々と成虫が発生し続けます。
特に、以下のようなケースで大量発生しやすい傾向があります。
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長期保存していた古い食品: 戸棚の奥や床下収納などに長期間置きっぱなしにしていた乾麺、粉類、ペットフードなどが発生源となり、気づかないうちに大繁殖してしまう。
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開封済みの食品の不適切な保管: 袋の口が開いたままの食品や、密閉性の低い容器で保管していた食品にシバンムシが侵入し、そこで繁殖が始まる。
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畳の劣化: 古くなった畳の内部でジンサンシバンムシが繁殖し、大量発生につながる。
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発生源の特定に失敗: シバンムシを見かけても、発生源を特定できずに表面的な駆除に終始してしまう。
大量発生してしまった場合は、複数の場所に発生源がある可能性も考えられます。自力での駆除が困難になる前に、早期に発生源を特定し、適切なシバンムシ駆除を行うことが重要です。
シバンムシの駆除方法【自分でできる効果的な対策】
シバンムシの発生源を特定したら、いよいよ駆除です。ここでは、ご家庭で自分でできる効果的なシバンムシ 駆除方法を具体的に解説します。
見かけたシバンムシの対処法
家の中でシバンムシの成虫を見かけたら、すぐに駆除しましょう。成虫は新たな場所に卵を産み付けたり、移動したりします。
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掃除機で吸い取る: 最も手軽で安全な方法です。見かけたシバンムシを掃除機で吸い取ります。吸い取った後は、すぐに紙パックを交換するか、サイクロン式のゴミを密閉して屋外のゴミ箱に捨てましょう。吸い取ったシバンムシが掃除機の中で繁殖するのを防ぐためです。
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粘着テープで捕獲: セロハンテープやガムテープなどで貼り付けて捕獲する方法も有効です。捕獲したシバンムシは、テープでしっかり包んで捨てましょう。
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叩く/潰す: 見つけ次第叩き潰すこともできますが、小さな虫なので見失いやすいこともあります。
これらの方法はあくまでその場にいる成虫の駆除であり、根本的な解決にはなりません。大切なのは、次に解説する「発生源」の駆除です。
発生源を特定した場合の駆除手順
発生源を特定できた場合は、以下の手順で徹底的に駆除を行います。これが最も効果的なシバンムシ駆除方法です。
発生源の物の処分
シバンムシが大量に潜んでいる食品や物は、躊躇なく処分することが重要です。
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発生源の物をゴミ袋に入れる: シバンムシが付着した食品、乾物、畳の一部、ドライフラワーなどを、虫が逃げ出さないように丁寧にゴミ袋に入れます。
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ゴミ袋をしっかりと密閉する: 袋の口を何重にも縛るか、粘着テープで隙間なく閉じます。
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すぐに屋外のゴミ箱に捨てる: 部屋の中に置いておくと、ゴミ袋から虫が漏れ出したり、新たな発生源になったりする可能性があります。必ずすぐに屋外の収集場所やゴミ箱に捨てましょう。
「もったいないから」「少しだけだから」と残しておくと、再発の原因になります。完全に処分することが、早期解決への近道です。
発生箇所の清掃と処理
発生源があった場所には、卵や幼虫、サナギ、糞などが残っている可能性があります。これらを徹底的に除去する必要があります。
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掃除機で吸い取る: 発生源があった場所(棚、引き出し、床、畳の隙間など)とその周辺を、掃除機で念入りに吸い取ります。特に隙間や角、奥まった場所は重点的に行いましょう。吸い取ったゴミはすぐにゴミ袋に密閉して屋外へ捨てます。
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水拭き・アルコール消毒: 掃除機をかけた後、固く絞った雑巾などで水拭きを行います。さらに、消毒用アルコール(エタノール)で拭き掃除をすると、残った卵や幼虫を殺したり、新たな虫の侵入を防いだりする効果が期待できます。アルコールが使えない場所(ワックスが塗られた床など)には、熱湯をかける方法も有効ですが、素材を傷めないか事前に確認しましょう。
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熱処理(可能な場合): 発生源となった物があった場所が熱に強い素材であれば、ドライヤーの熱風を当てるのも効果的です。ただし、やけどや火災に注意し、素材が傷まない範囲で行ってください。
これらの清掃・処理を徹底することで、隠れた卵や幼虫を取り除き、再発のリスクを大幅に減らすことができます。
シバンムシ駆除におすすめの市販殺虫剤・燻煙剤
発生源の特定と除去、清掃が基本ですが、広範囲に広がってしまった場合や、目に見えない場所に潜んでいる可能性が考えられる場合は、市販の殺虫剤や燻煙剤(くん煙剤)を併用するのも有効です。
スプレー式殺虫剤の使い方
家庭用殺虫剤の中には、シバンムシに効果のあるものがあります。「不快害虫用」や「カメムシ・チャタテムシ用」などと記載されている製品で、ピレスロイド系の成分が含まれているものを選びましょう。
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直接噴霧: 見かけた成虫に直接噴霧して駆除します。
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発生箇所・潜伏場所への噴霧: 発生源を処分し、清掃した後の場所や、シバンムシが潜んでいそうな棚の隙間、壁の割れ目などに少量噴霧しておくと、残った虫や新たな侵入を防ぐ効果が期待できます。ただし、食品の近くや食器にかかる可能性のある場所への使用は避け、使用上の注意をよく守りましょう。
燻煙剤(くん煙剤)の効果と注意点
「バルサン」などの燻煙剤は、薬剤を煙や霧状にして部屋全体に行き渡らせることで、部屋中に隠れているシバンムシの成虫や幼虫、サナギをまとめて駆除する効果があります。大量発生してしまった場合や、発生源が特定できない場合に有効な手段です。
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効果: 煙や霧が部屋の隅々まで行き渡り、普段は手の届かない場所に潜むシバンムシにも効果があります。
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注意点:
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食品や食器への対策: 燻煙剤を使用する際は、必ず食品、食器、調理器具などをビニールシートで覆うか、部屋の外に出しましょう。
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火災報知機への対策: 煙や霧に反応して火災報知機が作動する可能性があります。報知機にカバーをかけるなどの対策が必要です。
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ペットや植物への対策: ペットや観葉植物は必ず部屋の外に出しましょう。水槽がある場合は、エアーポンプを止めて密閉する必要があります。
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使用後の換気: 使用後は定められた時間、部屋をしっかりと換気する必要があります。
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卵には効果が薄い場合がある: 燻煙剤は成虫や幼虫には効果がありますが、卵には効きにくい場合があります。数週間後に再度燻煙剤を使用するなど、複数回行うとより効果的です。
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燻煙剤は強力なシバンムシ 駆除方法ですが、使用には多くの注意が必要です。製品の取扱説明書をよく読んで、安全に実施してください。
その他市販の駆除グッズ
スプレー剤や燻煙剤の他に、以下のような駆除グッズもあります。
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捕獲トラップ: シバンムシを誘引するフェロモン剤などを使用した粘着シートです。置いておくだけでシバンムシを捕獲できます。発生状況のモニタリングや、特定の場所への集中対策に有効です。殺虫成分を使用しないため、食品の近くでも比較的安全に使用できます。
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防虫剤: 食品用の防虫剤の中には、シバンムシの発生を抑制する効果が期待できる製品もあります。乾物や粉類の保管場所に一緒に入れておくと良いでしょう。
これらのグッズは、発生源特定後の仕上げや予防策として活用すると効果的です。
シバンムシの天敵アリガタバチについて
シバンムシ駆除を行っていると、「アリガタバチ」という小さなハチのような虫を見かけることがあります。このアリガタバチは、実はシバンムシの幼虫に寄生する天敵です。
アリガタバチを見かけたということは、その近くにシバンムシの幼虫がいる、つまりシバンムシの発生源がある強いサインとなります。アリガタバチは人を刺すことがあり、刺されると赤く腫れて強い痛みを伴うことがあるため注意が必要です。
もしアリガタバチを見かけたら、「あ、シバンムシの巣が近くにあるんだな」と考え、さらに発生源を探す手がかりにしてください。アリガタバチ自体も駆除の対象となりますが、見つけたら同時にシバンムシの発生源特定に力を入れることが、根本的なシバンムシ駆除につながります。
駆除方法 | 効果対象 | メリット | デメリット |
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見かけた成虫駆除 | 成虫 | 手軽、安全 | 根本的な解決にはならない |
発生源の処分 | 卵、幼虫、サナギ、成虫 | 最も効果的、根本解決 | 発生源の特定が必要 |
発生箇所の清掃 | 卵、幼虫、糞 | 残った虫の除去、再発防止 | 見えない虫は取りきれない場合がある |
スプレー式殺虫剤 | 成虫、潜伏幼虫 | 即効性がある、特定の場所に使える | 食品の近くでの使用注意、広範囲には不向き |
燻煙剤(くん煙剤) | 成虫、幼虫、サナギ | 広範囲の虫をまとめて駆除 | 使用に多くの準備と注意が必要、卵に弱い |
捕獲トラップ | 成虫 | 安全、発生状況の確認 | 大量駆除には向かない |
防虫剤 | 卵、幼虫(抑制) | 予防効果 | 駆除効果は低い |
シバンムシの再発を防ぐ予防策
せっかくシバンムシを駆除しても、再発してしまっては意味がありません。ここでは、シバンムシを再び発生させないための効果的な予防策をご紹介します。日頃からのちょっとした心がけが重要になります。
発生源を作りやすい物の正しい保管方法
シバンムシの主な発生源は食品や乾燥物です。これらを適切に保管することが、再発防止の最も重要なポイントです。
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開封済みの食品は密閉容器に入れる: 乾麺、粉類、お菓子、ペットフードなど、開封した食品は必ず密閉性の高い容器に移し替えて保管しましょう。プラスチック製やガラス製のタッパーなどがおすすめです。袋のままクリップで止めるだけでは、小さなシバンムシは簡単に侵入できてしまいます。
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食品は早めに使い切る: 古い食品ほど発生源となるリスクが高まります。賞味期限や消費期限をチェックし、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。戸棚の奥に眠っている古い食品がないか、定期的にチェックする習慣をつけるのがおすすめです。
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食品の購入時は袋の破損をチェック: 買い物をする際に、食品の袋に穴が開いていないか確認しましょう。小さな穴からシバンムシが侵入している可能性があります。
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畳や古い木製品のケア: 古い畳は定期的に乾燥させたり、張り替えを検討したりするのも良いでしょう。古い木製品も湿気をため込まないように注意が必要です。
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ドライフラワーなどの飾り物の管理: ドライフラワーや木の実などの飾り物も、発生源となることがあります。定期的にホコリを払ったり、風通しの良い場所に置いたりしましょう。可能であれば、虫が付きにくい加工がされているものを選ぶのも良いかもしれません。
部屋の環境改善(湿度・温度管理)
シバンムシは高温多湿な環境を好みます。部屋の環境を改善することで、シバンムシが棲みつきにくい状況を作ることができます。
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換気をしっかり行う: 定期的に窓を開けて換気し、部屋の湿気を減らしましょう。特に梅雨時や夏場は意識的に換気が必要です。
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除湿器やエアコンを活用する: 湿度が高い時期は、除湿器やエアコンの除湿機能を使って室内の湿度を下げましょう。理想的な湿度は50〜60%程度です。
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結露対策を行う: 冬場に窓などに発生する結露も湿気の原因となります。こまめに拭き取るなどの対策を行いましょう。
定期的な清掃とチェック
日頃からの清掃とチェックが、シバンムシの早期発見と予防につながります。
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棚や引き出しの拭き掃除: 食品を保管している棚や引き出しは、定期的に中の物を出して拭き掃除をしましょう。食品カスやホコリはシバンムシのエサになります。
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隙間の掃除機がけ: 部屋の隅や家具の隙間、畳の縁など、シバンムシが隠れやすい場所を定期的に掃除機で吸い取りましょう。
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古い食品や乾物のチェック: 戸棚や食品庫にある古い食品や乾物がないか、定期的にチェックし、必要に応じて処分しましょう。
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シバンムシの痕跡がないか確認: 小さな穴が開いた袋、食品の粉が固まったようなもの、小さな糞など、シバンムシの痕跡がないか、食品の袋や周辺を時々確認しましょう。
これらの予防策を継続することで、シバンムシの発生リスクを低く保つことができます。
シバンムシ駆除を専門業者に依頼する判断基準と流れ
自分でできる範囲のシバンムシ駆除や予防策を試しても改善が見られない場合や、被害が広範囲に及んでいる場合は、専門業者に相談することを検討しましょう。プロの技術と経験は、根深いシバンムシの悩みを解決してくれる力強い味方となります。
こんな時は業者に相談(大量発生、発生源不明など)
以下のような場合は、自力での駆除が難しく、専門業者に依頼するタイミングかもしれません。
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シバンムシが大量発生している: 一匹、二匹ではなく、毎日何匹も部屋で見かけるような場合は、発生源が複数あったり、広範囲に広がっていたりする可能性があります。個人で全てを駆除するのは困難です。
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発生源が特定できない: どこを探してもシバンムシの発生源が見つからない場合。プロの目であれば、素人では気づかない隠れた発生源を発見できる可能性があります。
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駆除してもすぐに再発する: 自力で駆除や予防を試みても、すぐにまたシバンムシが発生してしまう場合。見落としている発生源があるか、駆除方法が不十分な可能性があります。
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広範囲に被害が及んでいる: 食品だけでなく、畳や家具など、複数の場所に被害が及んでいる場合。
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アリガタバチを頻繁に見かける: シバンムシの天敵であるアリガタバチを頻繁に見かけるということは、それだけ多くのシバンムシ幼虫が潜んでいるサインです。
業者に依頼するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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根本的な駆除が期待できる: プロの知識と経験で、隠れた発生源も特定し、効果的な方法で駆除を行います。 | 費用がかかる: 個人で駆除するより費用がかかります。 |
広範囲の駆除が可能: 特殊な薬剤や機材を使用し、部屋全体や家屋構造に合わせた対策が可能です。 | 業者の選定が必要: 信頼できる業者を選ぶ必要があります。 |
再発防止のアドバイス: 駆除だけでなく、今後の予防策について専門的なアドバイスを受けられます。 | 作業時間が必要: 駆除作業のために、ある程度の時間、自宅を開ける必要がある場合があります。 |
安心感: 専門家に任せることで、精神的な負担が軽減されます。 |
シバンムシ駆除にかかる費用の目安
シバンムシ駆除を業者に依頼した場合の費用は、被害の程度、発生場所、部屋の広さ、駆除方法などによって大きく異なります。
一般的な費用の目安としては、数万円から10万円以上となることが多いようです。これはあくまで目安であり、被害が甚大な場合や、複雑な構造の建物の場合などはさらに高額になることもあります。
複数の業者から見積もりを取り、作業内容や保証内容などを比較検討することが重要です。安さだけで選ばず、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
信頼できる業者の選び方
安心してシバンムシ駆除を任せられる業者を選ぶためには、以下の点に注意して選びましょう。
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実績と経験が豊富か: シバンムシ駆除の実績が豊富で、専門的な知識や経験を持っているかを確認しましょう。ウェブサイトや口コミなどで確認できます。
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見積もりが明確か: 料金体系が明確で、作業内容や費用について分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。見積もり内容に不明な点がないか、事前にしっかり確認することが大切です。
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保証やアフターサービスがあるか: 駆除後の再発に対する保証や、アフターサービスが用意されているかどうかも確認ポイントです。
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問い合わせ時の対応: 問い合わせた際の電話やメールでの対応が丁寧で、親身に相談に乗ってくれるかどうかも、信頼できる業者かどうかを判断する材料になります。
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複数社から比較検討する: 最低でも2〜3社から見積もりを取り、料金、サービス内容、対応などを比較検討することをおすすめします。
失敗しない害虫駆除業者の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ:シバンムシ駆除は早期発見・早期対応が鍵
シバンムシは、小さな虫ながら放っておくと大量発生し、大切な食品や物をダメにしてしまう厄介な害虫です。しかし、その生態と適切なシバンムシ駆除方法を知っていれば、被害を最小限に抑え、再び快適な生活を取り戻すことが可能です。
この記事で解説したように、シバンムシ駆除の鍵は早期発見と早期対応です。一匹でも見かけたら「何かおかしい」と気づき、すぐに発生源の特定に力を入れることが重要です。
自分でできる駆除方法としては、以下のステップが基本となります。
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見かけた成虫をすぐに駆除する。
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最も重要な「発生源」を徹底的に探し出す。
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特定した発生源の物を躊躇なく処分する。
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発生場所とその周辺を念入りに清掃・消毒する。
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必要に応じて市販の殺虫剤や燻煙剤を適切に使用する。
そして、駆除後も安心せず、食品の正しい保管方法、部屋の環境管理、定期的な清掃とチェックといった予防策を継続することが、再発防止につながります。
もし、自力での駆除が難しいほど大量発生してしまった場合や、どうしても発生源が見つからない場合は、迷わず専門業者に相談しましょう。プロの力は、根深いシバンムシの悩みを根本から解決してくれる可能性が高いです。
シバンムシを見つけて不安になっている方も、この記事で得た知識を参考に、今日からシバンムシ駆除と予防に取り組んでみてください。早期の対応方法が、あなたの家からシバンムシをなくすための一番の近道です。