ハクビシンを追い出す完全ガイド｜自分でできる方法・業者選び・再発防止

ハクビシンが家に住み着いてしまった、夜中に物音がする、異臭がするなど、ハクビシン被害にお困りではありませんか？
ハクビシンを安全に、そして確実に家から追い出すためには、正しい知識と方法を知ることが重要です。
この記事では、自分でできる効果的な対策から、限界を感じた時に頼るべき専門業者への依頼方法、さらにハクビシンを二度と寄せ付けないための予防策まで、詳しく解説します。
ハクビシン被害に悩むあなたが、安心して日常を取り戻せるよう、具体的な方法と注意点をお伝えします。

ハクビシン追い出しが必要な理由と基礎知識

ハクビシンは可愛らしい見た目をしていますが、一度家に侵入すると深刻な被害をもたらすことがあります。なぜハクビシンを追い出す必要があるのか、その理由と生態、そして対策を講じる上で知っておくべき基礎知識を確認しましょう。

ハクビシンによる主な被害（騒音・フン・健康被害など）

ハクビシンは夜行性のため、活動が活発になる夜間に家の中で大きな音を立てることがあります。屋根裏や天井裏を走り回る足音は、住んでいる人の安眠を妨げ、大きなストレスとなります。

さらに深刻なのは、ため糞をする習性があることです。同じ場所にフンや尿を蓄積させるため、強烈な悪臭が発生します。この悪臭は建材に染みつき、長期間にわたって不快な環境をもたらします。フンや尿は建材を腐食させる原因にもなり、家の劣化を早める可能性もあります。

最も懸念されるのは、健康被害のリスクです。ハクビシンのフンや体には、ダニやノミ、様々な病原菌が付着しています。これらの病原菌は、サルモネラ菌やE型肝炎ウイルスなど、人間に深刻な健康被害をもたらす可能性があります。フンに含まれる菌や、それを媒介するダニやノミによって、アレルギー症状や感染症を引き起こす危険性があるため、衛生的な観点からも早期の対策が不可欠です。

また、農作物や庭の果実、生ゴミなどを食い荒らすといった被害も発生します。経済的な損失だけでなく、生活環境の悪化にもつながります。

ハクビシンの生態と活動時間

ハクビシンはジャコウネコ科に属する中型の哺乳類です。細長い胴体と、顔の中心にある白い筋が特徴です。中国南部や台湾、東南アジアが原産ですが、日本では明治時代以降に持ち込まれたものが野生化し、現在では本州を中心に広く分布しています。国立環境研究所の調査によると岡山県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県、沖縄県以外の43都道府県で生息が確認されており、ほぼ全国的に生息しています。引用元

都市部でも見かけることが増えており、住宅の屋根裏や床下、廃屋、寺社、時にはビルの隙間などをねぐらとして利用します。木登りが得意で、電線や雨どいを伝って高所へ移動することも容易です。

ハクビシンは主に夜行性で、夕方から夜間にかけて活動を開始し、早朝にかけて活発に動き回ります。昼間はねぐらで休息していることがほとんどです。この夜間の活動パターンが、家の中で騒音被害が発生する主な原因です。冬眠はしませんが、寒い時期は活動が鈍る傾向があります。繁殖期は春から夏にかけてで、一度に1〜4頭の子を産みます。子育て期間中は特に攻撃的になることがあります。

ハクビシン追い出しに関する注意点（法律・危険性）

ハクビシンを追い出す、あるいは捕獲する際には、いくつかの重要な注意点があります。

まず、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」によって保護されている野生動物です。許可なく捕獲したり、傷つけたりすることは法律で禁止されています。したがって、基本的には「追い出す」ことしかできません。捕獲が必要な場合は、自治体の許可を得た上で、専門的な知識を持つ業者に依頼する必要があります。個人が無許可で捕獲器を設置することも違法となるため注意が必要です。

また、追い出し作業やその後の清掃作業には危険が伴います。前述のように、ハクビシンのフンや体には病原菌や寄生虫が潜んでいます。不用意に触ったり、清掃時に舞い上がるホコリを吸い込んだりすると、感染症のリスクがあります。作業中は必ず厚手のゴム手袋やマスク、ゴーグルを着用し、肌の露出を避けるようにしましょう。

さらに、追い詰められたハクビシンがパニックになり、人間に向かってくる可能性もゼロではありません。特に子育て中のメスは非常に神経質で攻撃的になることがあります。自分で追い出す際は、ハクビシンを刺激しないよう、慎重かつ安全に作業を行う必要があります。少しでも危険を感じたら、無理せず専門家に任せる判断も重要です。

自分でハクビシンを追い出す具体的な方法

ハクビシンを家から追い出すために、まずは自分でできる対策から試してみましょう。ハクビシンが嫌がる要素を利用した方法が効果的です。

ハクビシンが嫌がる「匂い」を使った対策

ハクビシンは嗅覚が発達しており、特定の強い匂いを嫌います。この性質を利用して、ハクビシンが寄り付かなくなる環境を作り出すことができます。

代表的なのは木酢液や竹酢液です。これらの燻製の匂いは、ハクビシンにとって火事を連想させるため、危険を感じて避ける傾向があります。原液を薄めて布に染み込ませたり、容器に入れたりして、ハクビシンが出没する場所や侵入経路になりそうな場所に置きます。ただし、匂いが強いので、室内で使用する際は換気を十分に行うか、屋外や屋根裏などの閉鎖空間での使用に限定しましょう。

その他には、唐辛子成分（カプサイシン）を含む忌避剤や、獣よけ専用の固形忌避剤、スプレーなども市販されています。唐辛子の匂いは鼻や目に刺激を与えるため、ハクビシンは近づかなくなります。固形タイプやスプレータイプは、設置や使用が比較的容易です。

ただし、匂いによる忌避効果は一時的であり、雨や風で効果が薄れるため、定期的に設置や散布を繰り返す必要があります。また、ハクビシンが匂いに慣れてしまう可能性もあるため、一つの方法に固執せず、他の対策と組み合わせることも効果的です。

ハクビシンが嫌がる「光・音」を使った対策

ハクビシンは夜行性で、明るい光や大きな音を嫌う傾向があります。これらを利用して追い出しを試みることができます。

例えば、人感センサー付きのLEDライトを設置する方法です。ハクビシンが近づくと突然明るい光が点灯するため、驚いて逃げ出す可能性があります。屋根裏や庭など、ハクビシンが出没しやすい場所に設置すると効果的です。特にフラッシュライトのように点滅するタイプは、より警戒心を抱かせやすいと言われています。

音を使った対策としては、超音波発生装置があります。人間には聞こえない高周波の音を発生させることで、ハクビシンに不快感を与え、その場所を避けさせる効果が期待できます。コンセント式や電池式などがあり、設置場所に応じて選べます。ただし、超音波の効果には個体差があり、すべてのハクビシンに効くわけではない点に注意が必要です。また、ペットを飼っている場合は、ペットに影響がないか確認することも大切です。

ラジオをつけっぱなしにしておくという方法も試されることがありますが、こちらも効果は限定的で、すぐに音に慣れてしまうことが多いようです。突発的な光や音の方が、追い出し効果は高いと言えます。

自分でできる対策グッズ（忌避剤・燻煙剤など）の種類と選び方

自分でハクビシンを追い出す際に役立つグッズは様々です。主な種類と選び方のポイントをご紹介します。

グッズの種類	主な効果	使用場所の例	特徴・選び方のポイント
固形忌避剤	匂いでハクビシンを寄せ付けない	屋根裏、庭、床下、侵入口付近	効果持続期間が比較的長い。雨に強い屋外用もある。広範囲に設置が必要な場合がある。
スプレー忌避剤	匂いや成分でハクビシンを寄せ付けない	侵入口、通り道、フンをされた場所	即効性がある。ピンポイントの使用に適している。効果持続期間は短めなので頻繁な散布が必要。
液体忌避剤 (木酢液・竹酢液など)	燻製臭でハクビシンを警戒させる	屋根裏、庭、布などに染み込ませて設置	自然由来の成分。匂いが強い。定期的な補充が必要。
燻煙剤	煙の匂いや成分で追い出す	屋根裏、閉鎖された空間	短時間で効果が広がる。室内使用時は火災報知器への配慮や換気が必要。駆除目的ではない。
超音波発生装置	不快な超音波で遠ざける	屋根裏、庭、屋内	目に見えない効果。設置場所によって電源タイプを選ぶ。効果には個体差がある。ペットへの影響も考慮。
センサーライト	突然の光で驚かせる	庭、ベランダ、侵入口付近	夜行性のハクビシンに効果的。設置場所に応じて電源タイプ（電池、コンセント、ソーラー）を選ぶ。

これらのグッズを選ぶ際は、使用する場所（屋内か屋外か、広い場所か狭い場所か）、期待する効果（即効性か持続性か）、安全性（ペットや子供への影響）、使いやすさなどを考慮して選びましょう。複数の種類のグッズを組み合わせて使用すると、より高い効果が期待できます。

追い出し効果を高めるための設置場所と使用のコツ

自分でハクビシンを追い出す対策の効果を最大限に引き出すためには、正しい設置場所と使用のコツがあります。

まず、最も重要なのは、ハクビシンが現在利用している「ねぐら」や「侵入口」、そして「通り道」を特定することです。屋根裏の物音やフンの場所、壁のシミ、建物の隙間などをよく観察し、ハクビシンがどこにいるのか、どこから出入りしているのかを把握します。

忌避剤や超音波発生装置は、特定したねぐらや侵入口、通り道に集中的に設置します。特に屋根裏や床下など、ハクビシンが隠れている可能性が高い場所に重点を置きましょう。

匂いを使った忌避剤は、定期的に補充したり散布したりすることが大切です。雨や風で効果が薄れるだけでなく、ハクビシンが匂いに慣れてしまうことを防ぐためです。数日おきに新しいものに交換したり、追加で設置したりする工夫が必要です。

燻煙剤を使用する場合は、使用前にしっかりと換気を遮断し、部屋を閉め切ることで煙を充満させます。使用後は十分な換気が必要です。火災報知器に反応する可能性もあるため、取扱説明書をよく読んで使用しましょう。

センサーライトは、ハクビシンが侵入してきそうな場所や、よく通りそうな場所に設置します。光の届く範囲やセンサーの反応範囲を確認し、死角ができないように複数設置することも検討しましょう。

また、ハクビシンを追い出すためには、一度追い出した後に「二度と戻ってこられないようにする」対策が不可欠です。これは「侵入経路の封鎖」にあたりますが、追い出しと並行して、あるいは追い出し後に速やかに行う必要があります。追い出し作業だけに終始しても、すぐに戻ってきてしまう可能性が高いことを理解しておきましょう。

自分で追い出す対策の限界と専門業者に依頼する判断基準

自分でハクビシンを追い出す対策は手軽に始められますが、万能ではありません。効果が出ない場合や、安全面のリスクを考慮すると、専門業者に依頼する必要が出てきます。ここでは、自分で追い出す対策の限界と、専門業者に依頼すべき判断基準について解説します。

自分で追い出す対策で効果が出ないケース

自分で忌避剤や光・音を使った対策を試しても、ハクビシンが追い出せない、あるいは一時的にいなくなってもすぐに戻ってきてしまうケースがあります。このような場合、自分でできる対策では限界があると考えられます。

効果が出ない主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

• ハクビシンが対策に慣れてしまった: 同じ忌避剤や音を繰り返し使っていると、ハクビシンがそれに慣れてしまい、効果が薄れることがあります。
• 被害の規模が大きい: 複数のハクビシンが住み着いている場合や、長期間にわたって被害が続いている場合は、一つの方法では追い出しきれないことがあります。
• ねぐらが特定できない: ハクビシンがどこにいるのか、どこから侵入しているのかが正確に把握できていないと、効果的な場所に忌避剤などを設置できません。
• 侵入経路が多数ある、あるいは塞ぐのが難しい: 複雑な構造の建物の場合、ハクビシンの侵入経路が複数あったり、素人では発見・封鎖が難しい場所だったりすることがあります。
• 子育て期間中のハクビシンがいる: 後述しますが、子育て中のハクビシンは非常に警戒心が強く、追い出しが困難なだけでなく危険も伴います。

これらの状況では、自分で対策を続けるよりも、専門知識と技術を持った業者に依頼することを検討すべきです。

ハクビシンに子がいる場合の注意点

特に注意が必要なのが、ハクビシンが家の中で子育てをしている場合です。ハクビシンの繁殖期は一般的に春から夏にかけてですが、環境によっては他の時期にも繁殖することがあります。

子育て中のメスは、子を守るために非常に攻撃的になります。不用意に近づいたり、無理に追い出そうとしたりすると、威嚇されたり、噛みつかれたりする危険性が高まります。

また、親だけを追い出しても、まだ自力で移動できない子が巣に残されてしまう可能性があります。残された子は餓死する可能性が高く、そのまま放置すると死骸が腐敗し、さらなる悪臭や衛生問題を引き起こします。

さらに、前述のようにハクビシンは鳥獣保護管理法で保護されており、子育て期間中の捕獲は原則として禁止されています。自治体によっては、特定の期間は捕獲許可が出ない場合もあります。

このような状況では、自分で追い出しを試みることは非常に危険であり、また法律にも触れる可能性があります。ハクビシンの巣や子を発見した場合は、速やかに専門業者に相談することが強く推奨されます。専門業者であれば、法律を遵守しつつ、安全かつ効果的に対応してくれます。

追い出し作業に伴うリスク（感染症・攻撃）

自分でハクビシンの追い出し作業を行う際には、感染症や攻撃されるリスクがあることを認識しておく必要があります。

ハクビシンのフンには、様々な細菌やウイルスが含まれています。乾燥したフンに含まれる病原体がホコリと一緒に舞い上がり、それを吸い込むことで感染症を引き起こす可能性があります。また、ハクビシンの体に付着しているダニやノミが家に広がり、アレルギーの原因になったり、別の病原体を媒介したりすることもあります。清掃作業を行う際は、必ず防護服やマスク、手袋、ゴーグルを着用し、十分に換気を行いながら慎重に行う必要があります。

また、追い詰められたハクビシンは、恐怖やパニックから威嚇したり、噛みついたりする可能性があります。特に子育て中のメスは非常に攻撃的になるため、安易に近づくのは危険です。ハクビシンは狂犬病などの病気を媒介する可能性もゼロではないため、万が一噛まれた場合はすぐに医療機関を受診する必要があります。

自分で作業を行う際は、これらのリスクを十分に理解し、最大限の注意を払うことが必要です。少しでも不安を感じる場合は、無理せず専門業者に依頼する方が安全です。

専門業者に依頼すべき症状や状況

自分でできる対策を試しても効果がない場合や、以下のような状況に当てはまる場合は、専門業者に依頼することを強くお勧めします。

• 被害が広範囲に及んでいる: 家の複数の場所にフンがある、建材の劣化が進んでいるなど、被害の規模が大きい場合。
• ハクビシンの個体数が多い: 複数のハクビシンが出入りしている形跡がある場合。
• 子育て中のハクビシンがいる可能性がある: 巣らしき場所がある、小さな鳴き声が聞こえるなど。
• 侵入経路が特定できない、あるいは封鎖が困難: 建物の構造が複雑で、どこから入っているのか分からない、または高所作業が必要で危険な場合。
• 自分で作業する時間がない、体力に自信がない: 追い出しや清掃、封鎖作業は時間と労力がかかります。
• 感染症や攻撃のリスクが怖い: 安全に作業を行う自信がない場合。
• 法律に関わる可能性がある（捕獲など）: 捕獲が必要だと考えられる場合。
• 再発を繰り返す: 一度追い出しても、すぐに戻ってきてしまう場合。

これらの状況では、専門業者に依頼することで、安全かつ確実にハクビシンを追い出し、再発防止策まで含めて対応してもらうことができます。

専門業者によるハクビシン追い出し・駆除サービス

自分でできる対策に限界を感じたり、安全面のリスクを考慮したりした場合、専門業者への依頼が最も確実な方法となります。ここでは、専門業者に依頼するメリットや作業内容、選び方のポイント、費用相場について解説します。

専門業者に依頼するメリット

ハクビシン対策を専門業者に依頼することには、多くのメリットがあります。

まず、最も大きなメリットは「確実性」です。専門業者はハクビシンの生態や習性を熟知しており、豊富な経験と専門的な機材を用いて、効果的にハクビシンを追い出します。素人では発見しにくい侵入経路の特定や、安全な追い出し方法を把握しています。

次に「安全性」です。専門業者は防護服やマスクなどの装備を着用し、感染症や攻撃のリスクを最小限に抑えながら作業を行います。危険な高所作業や、狭く暗い場所での作業も安全に行うことができます。

さらに、「再発防止策」まで含めて対応してくれる点も重要です。ハクビシンを追い出すだけでなく、二度と侵入されないように侵入経路をしっかりと封鎖する作業まで行ってくれます。これにより、根本的な問題解決につながり、長期的な安心を得られます。

また、業者によっては清掃や消毒作業も行ってくれるため、フン尿による悪臭や衛生問題もまとめて解決できます。鳥獣保護管理法などの関連法規も遵守してくれるため、法律違反の心配もありません。

自分で対策を試行錯誤する時間や労力、そして何よりリスクを考えると、専門業者に依頼することは、結果的に最も効率的で安心できる選択と言えるでしょう。

専門業者によるハクビシン駆除・追い出しの作業内容と流れ

専門業者にハクビシンの追い出し・駆除を依頼した場合、一般的には以下のような流れで作業が進められます。

1. 問い合わせ・現地調査の依頼: 電話やウェブサイトから業者に連絡し、ハクビシン被害の状況を伝えて現地調査を依頼します。
2. 現地調査: 担当者が被害現場を訪れ、ハクビシンの種類、生息状況、侵入経路、被害の程度などを詳しく調査します。フンの場所や量、足跡、建物の構造などを確認し、最適な駆除・追い出し方法を検討します。
3. 見積もり・作業内容の説明: 調査結果に基づき、具体的な作業内容、期間、費用について詳細な説明と見積もりが行われます。疑問点があればここでしっかりと質問し、納得した上で契約します。
4. 追い出し作業: 特定した侵入経路からハクビシンを追い出す作業を行います。忌避剤の散布、燻煙剤の使用、光や音を使った威嚇など、状況に応じて最も効果的な方法が選択されます。ハクビシンが完全にいなくなるまで、複数回に分けて作業を行う場合もあります。
5. 捕獲（必要な場合）： 追い出しが困難な場合や、自治体の許可が得られた場合は、捕獲器を設置して捕獲します。捕獲されたハクビシンは、法律に基づき適切に処理されます。
6. 清掃・消毒作業: ハクビシンのフンや巣などを撤去し、汚染された場所を清掃・消毒します。これにより、悪臭や病原菌の問題を解決します。
7. 侵入経路の封鎖: ハクビシンが再び侵入できないように、特定したすべての侵入経路を金網やパンチングメタルなどの丈夫な素材で隙間なく封鎖します。
8. 最終確認・完了報告: 全ての作業が完了した後、業者から作業内容の報告を受け、再発防止策などに関するアドバイスを受けます。保証期間が設けられているかなども確認しておきましょう。

この一連の流れを通して、ハクビシンの問題が根本的に解決されることを目指します。

信頼できる専門業者の選び方

ハクビシン駆除の専門業者は多数存在するため、どの業者に依頼すれば良いか迷うこともあります。信頼できる業者を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。

比較ポイント	確認すべき内容	良い業者の特徴
実績と経験	ハクビシン駆除の実績は豊富か、創業年数や施工実績はどうか	ハクビシン駆除に特化した実績が多く、具体的な施工事例を提示できる
対応力	問い合わせへの対応は丁寧か、現地調査は迅速に行ってくれるか、説明は分かりやすいか	電話やメールの対応がスムーズで丁寧。現地調査の日程調整がしやすい。専門用語を使わず分かりやすい説明をしてくれる。
調査力と提案力	被害状況や侵入経路を正確に調査できるか、最適な追い出し・駆除方法や再発防止策を提案できるか	隠れた侵入経路や巣を正確に特定できる。複数の駆除・追い出し方法や再発防止策を分かりやすく提案してくれる。
見積もりの明確さ	見積もり内容が具体的か、追加料金が発生する可能性について説明があるか	作業内容ごとに費用が明記されている。不明瞭な項目がなく、追加料金が発生する場合の条件を事前に説明してくれる。
作業内容と技術	追い出し・駆除、清掃・消毒、侵入経路封鎖といった一連の作業を丁寧に行うか、専門的な技術や機材を使用するか	養生や清掃を丁寧に行う。再発防止のための封鎖作業を確実に行う。専門の機材（高所カメラなど）を使用する。
保証制度	駆除後の保証（再発した場合の対応）はあるか、保証期間はどれくらいか	数年間の保証期間が設定されている。保証内容が明確で、再発時の対応について具体的に説明してくれる。
契約前の確認	契約書の内容は明確か、クーリングオフ制度の説明があるか	契約前に作業内容、費用、期間、保証内容などを明記した契約書を作成する。クーリングオフ制度について説明がある。
保険加入の有無	作業中に万が一、建物に損害を与えた場合の保険に加入しているか	作業中の事故に備え、損害賠償保険などに加入している。
口コミ・評判	インターネット上の口コミや知人からの評判はどうか	良い口コミが多く、悪質な対応に関する報告が少ない。

複数の業者から見積もりを取り、上記のポイントを比較検討することをお勧めします。安さだけで選ばず、信頼性や丁寧な対応、保証内容などを総合的に判断することが大切です。

ハクビシンの追い出し・駆除にかかる費用相場

ハクビシンの追い出し・駆除にかかる費用は、被害状況や建物の構造、依頼する業者によって大きく変動します。そのため、一概に「いくら」とは言えませんが、一般的な相場を知っておくことは、業者選びや予算計画の参考になります。

費用は主に以下の要素で構成されます。

• 現地調査費用: 無料の場合が多いですが、一部有料の業者もあります。
• 追い出し・駆除費用: ハクビシンの数や被害の規模、作業の難易度によって決まります。
• 捕獲費用: 捕獲が必要な場合にかかります。
• 清掃・消毒費用: フンや巣の撤去、消毒作業にかかる費用です。被害が大きいほど高くなります。
• 侵入経路封鎖費用: 封鎖箇所の数や広さ、使用する素材によって異なります。
• 諸経費: 高所作業費、出張費などが含まれる場合があります。

一般的な住宅におけるハクビシン駆除の費用相場は、被害の程度や作業内容によって大きく変動しますが、数万円から数十万円程度となることが多いです。追い払い、捕獲機設置、クリーニングなど、各工程の費用目安は業者によって異なりますが、詳細は野生動物対策センターのサイトでも確認できます。 また、自治体によっては駆除費用の一部を補助する制度がある場合もありますので、お住まいの地域の自治体に確認してみることも、費用を抑える一つの方法です。

正確な費用を知るためには、必ず複数の業者に現地調査と見積もりを依頼することが重要です。提示された見積もり内容をよく確認し、作業内容と費用が明確に説明されているかを確認しましょう。

ハクビシンを寄せ付けない再発防止対策

ハクビシンを家から追い出した後、最も重要なのは「二度と侵入されないようにする」ための再発防止対策です。追い出しが成功しても、侵入経路が開いたままでは、再びハクビシンが入り込んでしまう可能性が高いからです。

ハクビシンの侵入経路になりやすい場所

ハクビシンは体の大きさに似合わず、非常に狭い隙間でも通り抜けることができます。また、木登りが得意なため、地面からだけでなく高い場所からも侵入してきます。主な侵入経路になりやすい場所を知っておきましょう。

• 屋根の隙間: 瓦のズレ、棟板金の隙間、板金と壁の取り合い部分など、屋根材の劣化や施工不良による隙間。
• 軒下・破風板: 軒下の換気口、破風板の隙間、または破風板が劣化して穴が開いた箇所。
• 壁の隙間: 外壁材のひび割れ、戸袋と壁の隙間、配管や配線を引き込むための開口部周辺の隙間。
• 換気口: 壁面の換気口や床下換気口の金網が破損している、あるいは金網がない箇所。
• 床下: 床下換気口や基礎のひび割れ、点検口などが開いている場合。
• 戸袋: 古い住宅の雨戸の戸袋の中を通り道やねぐらにすることがあります。
• その他: 植栽や雨どいを伝ってベランダや窓から侵入したり、屋根や壁の点検口、天窓などからも侵入する可能性があります。

これらの場所を定期的に点検し、不備がないか確認することが大切です。特に老朽化した建物や、改修工事の後に隙間ができていないか注意が必要です。

効果的な侵入経路の封鎖方法

ハクビシンの侵入経路を効果的に封鎖するためには、使用する素材と方法が重要です。ハクビシンは力があり、柔らかい素材は破ってしまう可能性があるため、丈夫な素材を使う必要があります。

• 金網: 丈夫なステンレス製の金網（網目の細かいもの、例えば1cm以下のもの）を使って隙間を塞ぎます。換気口など、空気の通りを確保したい場所に適しています。金網はタッカーやビスなどでしっかりと固定します。
• パンチングメタル: 金属板に多数の穴が開いたものです。見た目が比較的綺麗で、換気も可能です。金網と同様に丈夫で、屋根裏の通気口などに使用されることがあります。
• エキスパンドメタル: 金属板を特殊な加工で引き伸ばして網状にしたものです。強度が高く、大きな開口部の封鎖に適しています。
• 板金: 金属板を使って隙間を塞ぎます。屋根の隙間や壁の隙間など、建材に合わせて加工して使用されます。
• シーリング材・コーキング材: 小さな隙間には、耐久性のあるシーリング材やコーキング材を充填して塞ぎます。ただし、大きな隙間では剥がされてしまう可能性があります。

侵入経路を封鎖する際は、たった数センチの隙間でもハクビシンは通り抜けてしまうため、徹底的に塞ぐことが重要です。また、一度侵入された場所だけでなく、他の潜在的な侵入経路も合わせて点検し、封鎖することが再発防止につながります。高所作業や危険な場所の封鎖は、専門業者に依頼する方が安全かつ確実です。

捕獲以外の根本的な再発予防策

侵入経路の封鎖は物理的な対策として非常に重要ですが、それ以外の根本的な再発予防策も合わせて行うことで、より効果的にハクビシンを寄せ付けない環境を作ることができます。

• エサになるものを放置しない: ハクビシンは食欲旺盛で、様々なものを食べます。庭に落ちている果実、野菜くず、ペットフードなどを放置しないようにしましょう。生ゴミは蓋付きの容器にしっかりと入れて管理し、夜間は屋外に出しっぱなしにしないなどの対策が必要です。コンポストもハクビシンのエサ場になりやすいので注意が必要です。
• 庭の環境整備: 背の高い草むらや放置された物置などは、ハクビシンが身を隠す場所や通り道になります。庭を定期的に手入れし、隠れ場所を減らすようにしましょう。木やツタが建物の壁や屋根に接していると、そこから侵入される可能性があるため、剪定するなどして建物から離すことも有効です。
• 忌避剤を継続的に使用する: 一度追い出した後も、定期的にハクビシンが嫌がる匂い、光、音を設置することで、寄り付きにくい環境を維持することができます。特に侵入経路になりやすかった場所や、過去に被害があった場所に重点的に使用すると良いでしょう。
• 建物の定期的な点検: 定期的に建物の外周や屋根裏などを点検し、新たな隙間や劣化がないかを確認します。早期に発見することで、大規模な被害を防ぐことができます。特に台風や地震などの自然災害の後には、建物の損傷によって隙間ができやすいので注意が必要です。
• 地域での取り組み: 近隣でもハクビシン被害が発生している場合は、地域ぐるみで対策を行うことも有効です。情報の共有や、地域の環境整備を共同で行うことで、より広い範囲での予防につながります。

これらの対策を継続的に行うことで、ハクビシンにとって魅力的な場所ではないと認識させ、再侵入のリスクを低減させることができます。

ハクビシン追い出しに関してよくある質問

ハクビシン被害に直面した際、様々な疑問や不安が生じるものです。ここでは、ハクビシン追い出しに関してよくある質問とその回答をご紹介します。

Q. ハクビシンは人間を襲ってきますか？

基本的に、ハクビシンは臆病な性格で、積極的に人間を襲ってくることは稀です。人間を見かけると、逃げていくことがほとんどです。

しかし、追い詰められたり、危険を感じたりした場合には、身を守るために威嚇したり、噛みついたりする可能性があります。特に子育て中のメスは神経質になっており、巣や子に近づくものに対して攻撃的になることがあります。

したがって、ハクビシンを見かけてもむやみに近づいたり、刺激したりしないことが重要です。万が一、噛まれたり引っかかれたりした場合は、傷口を洗浄し、念のため医療機関を受診することをお勧めします。狂犬病などの感染リスクもゼロではないからです。

Q. ハクビシンが家に一匹だけいる場合どうすればいいですか？

一匹だけのように見えても、繁殖期には複数匹で行動していたり、巣の中に子供がいる可能性もあります。また、一匹でも家の中にいれば、フンや騒音などの被害は発生します。

まずは、自分でできる追い出し対策（匂い、光、音）を試してみましょう。忌避剤やセンサーライトなどを、ハクビシンがいる場所や侵入口に集中的に設置します。

ただし、一匹でも追い出しが難しい場合や、自分で作業することに不安がある場合は、早めに専門業者に相談することをお勧めします。特に、屋根裏などの閉鎖空間にいる場合は、追い出しが難しく、安全面のリスクも伴います。専門業者であれば、正確な状況を把握し、最適な方法で安全に追い出してくれます。

Q. ハクビシンが増えた原因は何ですか？

近年、都市部でもハクビシンが増加している背景には、いくつかの要因が考えられます。

• 生息域の拡大と環境適応能力: ハクビシンは非常に環境適応能力が高く、農村部だけでなく、都市部の住宅地や公園、河川敷などでも生息できるようになりました。
• エサの豊富さ: 都市部には生ゴミや農作物など、ハクビシンのエサとなるものが豊富にあります。これにより、安定してエサを得られる環境が整っています。
• 天敵の減少: 都市部ではハクビシンの天敵となる動物（大型の猛禽類など）が少ないため、捕食されるリスクが低くなります。
• 人間の活動による住処の提供: 空き家や老朽化した建物、屋根裏や床下といった人間の生活圏が、ハクビシンにとって安全な隠れ場所や巣を作る場所として利用されるようになっています。
• 鳥獣保護管理法による保護: 法律によって許可なく捕獲できないことも、個体数の増加に影響していると言えます。

これらの要因が複合的に絡み合い、ハクビシンが増加し、人間の生活圏での被害が増えていると考えられます。

Q. ハクビシンはどこから侵入しますか？

ハクビシンは、わずか数センチの隙間でも侵入できると言われています。主に建物の高い場所にある隙間や開口部から侵入することが多いです。

具体的な侵入経路としては、以下のような場所が挙げられます。

• 屋根と壁の隙間: 瓦のズレ、棟板金の劣化、雨どいと壁の間など。
• 軒下の換気口: 金網が破損している、あるいは設置されていない換気口。
• 壁の隙間: 外壁材のひび割れ、配管・配線の引き込み口周辺、エアコンのダクト穴など。
• 破風板や鼻隠しの隙間: 劣化したり、隙間ができたりした部分。
• 床下換気口: 金網が破損している場合。
• 開いている窓や天窓: 稀ではありますが、開いている隙間から侵入することもあります。

木や電線、雨どいなどを伝って高い場所へ移動するため、2階や3階の屋根裏などにも簡単に到達してしまいます。侵入経路を特定するには、建物の外周や屋根裏などを注意深く観察する必要があります。

まとめ｜ハクビシンの被害は早めに専門家へ相談を

ハクビシンの被害は、単なる騒音や不快な匂いだけでなく、建物の損傷や健康被害にもつながる深刻な問題です。自分でできる追い出し対策はありますが、ハクビシンは賢く、対策に慣れてしまうこともあります。また、子育て中のハクビシンがいる場合や、被害が広範囲に及んでいる場合は、自分で対処することが困難なだけでなく、安全面のリスクも伴います。

最も確実で安全な解決方法は、ハクビシン駆除の専門業者に依頼することです。専門業者であれば、ハクビシンの生態や習性を熟知しており、豊富な経験と専門的な技術で、効果的な追い出し、必要に応じた捕獲（法律遵守の上）、そして再発防止のための侵入経路封鎖まで、一連の作業を安全かつ確実に行ってくれます。また、フンや巣の清掃・消毒も依頼できるため、衛生的な問題もまとめて解決できます。

ハクビシン被害に悩んでいるなら、問題を放置せず、まずは複数の専門業者に相談し、現地調査と見積もりを依頼することをお勧めします。信頼できる業者を選び、早期に対策を講じることで、被害の拡大を防ぎ、安心して暮らせる日常を取り戻しましょう。