自宅の庭やベランダ、軒下などで蜂の巣を見つけると、不安な気持ちになりますよね。「自分で駆除できるの?」「業者に頼むといくらかかるの?」など、疑問がたくさん浮かんでくるはずです。蜂の駆除は、種類や状況によっては非常に危険を伴います。この記事では、蜂の駆除について、料金相場、自分で安全に行う方法、信頼できる業者の選び方、主な蜂の種類と巣の特徴、そして万が一刺されてしまった時の応急処置まで、知っておくべき情報を分かりやすく解説します。蜂の駆除にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
蜂駆除 料金相場と内訳
蜂の駆除を専門業者に依頼する場合、気になるのが料金です。料金は、蜂の種類や巣の大きさ、場所などによって大きく変動します。ここでは、一般的な料金相場と、料金の内訳について解説します。
専門業者に蜂駆除を依頼した場合の料金相場は、およそ8,000円から50,000円程度と幅広いのが特徴です。この金額には、主に以下のような要素が含まれます。
基本料金: 駆除作業そのものにかかる費用です。業者の人件費や移動費などが含まれます。
蜂の種類による料金: 危険性の高いスズメバチは、アシナガバチやミツバチに比べて料金が高くなる傾向があります。
巣の大きさによる料金: 巣が大きくなるほど、中にいる蜂の数も増え、駆除作業の手間や危険性が増すため、料金が加算されます。
巣の場所による料金: 駆除作業が困難な場所(高所、閉鎖された空間、屋根裏など)にある巣は、特殊な機材や作業が必要となるため、追加料金が発生することがあります。
蜂の種類別 駆除料金の目安
蜂の種類によって、駆除の難易度や危険性が異なるため、料金の目安も変わってきます。
蜂の種類 | 危険度 | 巣の特徴 | 一般的な駆除料金相場(巣の大きさ・場所で変動) |
---|---|---|---|
スズメバチ | 高い | 球状またはフラスコ状。マーブル模様があることも。 | 15,000円 ~ 50,000円以上 |
アシナガバチ | 中程度 | シャワーヘッド状、またはお椀を逆さにしたような形状。 | 8,000円 ~ 20,000円 |
ミツバチ | 低い | 平板状の集合体(巣板)。閉鎖空間に作りやすい。 | 10,000円 ~ 30,000円 |
※上記の料金はあくまで目安であり、実際の料金は業者や状況によって大きく異なります。
スズメバチは攻撃性が高く、刺されると重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こす可能性があるため、最も駆除費用が高額になります。アシナガバチやミツバチは比較的費用が抑えられることが多いですが、それでも巣が大きければ料金は上がります。
また、市区町村によっては、市民向けに蜂の巣駆除の補助金制度があったり、無料で駆除を行ってくれる場合もあります。まずは自治体のホームページなどで情報を確認してみることをお勧めします。
巣の場所や大きさによる追加料金
基本料金に加えて、巣の状況によって追加料金が発生する主なケースは以下の通りです。
巣の場所:
高所作業: 2階以上の軒下、屋根の上など、ハシゴや高所作業車が必要な場所。
狭い場所・閉鎖空間: 壁の中、床下、屋根裏、換気扇の中など、作業スペースが限られている場所。
地中: 地面に作られたスズメバチの巣など、掘り起こし作業が必要な場合。
複雑な構造物: 物置の中、樹木の中など、巣が複雑に絡まっている場合。
巣の大きさ:
ソフトボール大、バスケットボール大など、大きくなるにつれて料金が段階的に加算されるのが一般的です。蜂の数が増えるため、駆除に必要な薬剤の量や作業時間が増えるためです。
作業の難易度:
蜂の攻撃性が非常に高い場合や、周囲に人が多く危険が伴う場合など、慎重な作業が求められるケース。
駆除後に巣の撤去や清掃が必要な場合。
夜間・休日料金:
緊急対応として、通常の営業時間外に依頼した場合に割増料金が発生することがあります。
業者を選ぶ際は、これらの追加料金についても事前にしっかり確認し、見積もりの内容を理解することが重要です。
蜂駆除 自分で安全に行う方法
蜂の巣を見つけたとき、まず「自分で駆除できるかな?」と考える方もいるでしょう。確かに、条件によっては自分で安全に駆除することも可能です。しかし、危険を伴う作業であることを十分に理解し、無理は絶対に禁物です。
自分で駆除できるケース・危険なケース
自分で蜂駆除を行うかどうかを判断する上で、最も重要なのは「安全」です。以下の条件を満たす場合に限り、比較的安全に自分で駆除できる可能性があります。それ以外のケースでは、迷わず専門業者に依頼しましょう。
小さい蜂の巣 自分で駆除
自分で駆除しやすいのは、以下のようなケースです。
- 巣が作られ始めたばかり: 巣の大きさがまだ数センチ程度(ソフトボール大より小さい)で、働き蜂の数が少ない初期段階。
- 巣の場所が安全: 地面に近い場所、ベランダなど、作業がしやすく、逃げ道を確保しやすい場所。
- 蜂の種類が比較的おとなしい: ミツバチや、巣を作り始めたばかりのアシナガバチなど。ただし、ミツバチも刺激すると攻撃的になりますし、アシナガバチも大きくなると危険です。
重要な注意点: スズメバチの巣は、どんなに小さくても自分で駆除しようとしないください。非常に危険です。
危険な蜂の種類(スズメバチなど)は避ける
以下のケースに当てはまる場合は、自分で駆除するのは絶対に避けてください。専門業者に依頼しましょう。
- 蜂の種類がスズメバチ: 攻撃性が非常に高く、強力な毒を持っています。集団で襲ってくることもあり、命に関わる危険があります。
- 巣が大きい: ソフトボール大以上の大きさになっている場合。働き蜂の数が多く、警戒心も強くなっています。
- 巣の場所が危険: 高所(軒下、屋根、木の高い枝など)、狭い場所(壁の中、床下、屋根裏)、通行量の多い場所などに巣がある場合。
- 蜂が活発に飛び回っている: 巣の周りを多くの蜂が飛び交っている状態は、巣が十分に発達しており、駆除が困難で危険です。
- 過去に蜂に刺されたことがある: アナフィラキシーショックを起こすリスクがあり、非常に危険です。
- 高齢者や子供がいる家庭: 危険な状況を避けるため、専門家にお任せしましょう。
- 自信がない、不安を感じる: 少しでも不安を感じたら、無理せず専門家に任せるのが賢明です。
自分で判断が難しい場合は、無理をせず業者や自治体の相談窓口に連絡することをお勧めします。
自分で駆除する準備と手順
自分で駆除すると決めた場合でも、万全の準備と正しい手順で行うことが重要です。
蜂駆除に必要な道具(スプレーなど)
安全に駆除を行うためには、適切な道具を揃えることが必須です。
- 蜂駆除用殺虫スプレー: 蜂に効果的な成分が含まれた、強力なものが市販されています。予備も含めて複数本用意しましょう。風上から噴射できるよう、噴射距離が長いタイプがおすすめです。
- 防護服: 養蜂用のスーツや、厚手のナイロン製・化学繊維製のカッパなどが有効です。蜂の針が貫通しないように、縫い目の少ないものを選びます。色は白っぽいものが比較的安全とされています(黒っぽい色に攻撃性が高まると言われるため)。
- 手袋: 厚手のゴム手袋や革手袋など、針を通さないもの。
- 長靴: 足元を守るために、隙間ができないようにズボンの裾を長靴の中に入れます。
- 帽子: ヘルメットや厚手の帽子をかぶります。
- 顔や首を覆うもの: ネット付きの帽子やタオル、ゴーグル、マスクなどを組み合わせ、肌の露出を完全に防ぎます。特に目の保護は重要です。
- ゴミ袋: 駆除した巣や蜂を処分するためのもの。厚手で破れにくいものを用意し、二重三重にして使用します。
- 火ばさみやスコップ: 巣を撤去する際に使用します。
これらの道具で全身をしっかりと覆い、肌の露出が一切ない状態にすることが最も重要です。
安全な服装と時間帯
安全な駆除のためには、服装と時間帯選びも非常に重要です。
- 服装: 前述の通り、全身を覆う厚手の防護服やカッパ、手袋、長靴、顔や首を覆うものを着用し、肌の露出をゼロにします。色は白や黄色など、蜂が攻撃しにくいとされる明るい色を選びましょう。黒や紺といった濃い色は、蜂が攻撃対象と認識しやすい傾向があるため避けてください。
- 時間帯: 蜂の活動が最も鈍くなる夕方から夜にかけての時間帯を選びましょう。この時間帯は多くの蜂が巣に戻っており、比較的おとなしくなっています。日中の明るい時間帯は蜂が活発に活動しているため、非常に危険です。作業を行う際は、懐中電灯を使いますが、直接巣を照らすと蜂を刺激する可能性があるため、足元や手元を照らすようにします。
駆除の手順(例):
- 日没後、蜂の活動が鈍くなった時間帯を選びます。
- 全身を完全に覆う防護服を着用します。
- 巣に静かに近づきます。足音を立てたり、急な動きをしたりしないように注意します。
- 風上から、巣に向かって蜂駆除用スプレーを噴射します。巣全体と、巣から出入りする蜂に集中的にかけます。スプレーは惜しまず、十分な量を使用します。
- 噴射後、数分間様子を見ます。蜂が完全に活動を停止したことを確認します。
- 火ばさみやスコップを使って、巣を壁などから剥がし、用意しておいたゴミ袋に素早く入れます。落ちた蜂も一緒に回収します。
- ゴミ袋はしっかりと口を閉じ、二重三重にして密封します。
- 巣があった場所の周辺にも念のためスプレーしておくと、戻ってきた蜂が再び巣を作るのを防ぐ効果が期待できます。
- 回収した巣や蜂が入ったゴミ袋は、すぐに燃えるゴミとして処分します。生きている蜂がいないか確認し、地域のゴミ出しルールに従ってください。
- 使用した防護服なども、蜂の毒液などが付着している可能性があるので、慎重に脱ぎ、洗うなどの処理を行います。
作業中はもちろん、作業後も、しばらくは巣があった場所に蜂が戻ってくる可能性があります(戻り蜂)。巣を撤去した場所には、蜂駆除用スプレーを定期的に噴射しておくと効果的です。
蜂が嫌がるものを使った予防・対策
蜂の巣を作られる前に、蜂が寄り付かないように予防することも重要です。蜂が嫌がるものや、環境整備によってリスクを減らすことができます。
庭に蜂が来なくなる方法
蜂は、特定の匂いや環境を嫌う傾向があります。これを利用して、庭や家の周りに蜂が来にくくすることができます。
- ミントやハーブなどの植物: ミント、ゼラニウム、レモングラスなどの香りの強い植物は、蜂が嫌うと言われています。これらの植物を庭に植えたり、プランターで置いたりするのも効果的です。
- 木酢液・竹酢液: 特有の燻製のような匂いが蜂を遠ざけると言われています。薄めて、巣を作られやすい場所(軒下、ベランダの手すり、木の枝など)に定期的に散布する方法があります。ただし、匂いが強いので、近隣への配慮も必要です。
- ハッカ油: ハッカ油の強い香りも蜂は嫌います。水で薄めてスプレーボトルに入れ、網戸や窓枠、庭の物干し竿などに吹きかけると効果が期待できます。
- 市販の蜂よけグッズ: 吊るすタイプや設置するタイプの蜂よけ剤も市販されています。これらは特定の成分や香りで蜂を遠ざける効果があります。
- 巣を作られやすい場所をなくす: 蜂は雨風をしのげる場所や、人通りの少ない静かな場所に巣を作りやすい傾向があります。軒下、戸袋、換気扇のフード、物置の中、木の洞などを定期的に点検し、小さな巣ができていないか確認しましょう。隙間があれば塞ぐなどの対策も有効です。
- ジュースや甘いものを放置しない: 蜂、特にスズメバチは糖分を求めて集まってくることがあります。バーベキューやピクニックなどで出たジュースの空き缶や食べ残しは、すぐに片付け、蓋のできるゴミ箱に入れましょう。
- 洗濯物の色に注意: 屋外に干す洗濯物も、黒っぽい色や花柄のものは蜂を惹きつける可能性があります。特に蜂の活動が活発な時期は、室内に干すなどの対策も検討しましょう。
これらの対策を組み合わせることで、蜂が庭や家の周りに寄り付くリスクを減らすことができます。完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、日頃からの予防が重要です。
蜂駆除 業者に依頼する判断基準と選び方
自分で駆除するのが難しい場合や、危険性が高い場合は、迷わず専門の蜂駆除業者に依頼することが最も安全で確実な方法です。では、どのような場合に業者に依頼すべきで、どのように信頼できる業者を選べば良いのでしょうか。
業者に依頼すべきケース
以下のような状況では、自分で駆除しようとせず、専門業者に依頼することを強く推奨します。
- スズメバチの巣である: スズメバチは非常に危険なため、素人が手を出すべきではありません。巣の種類が分からない場合も、専門家に見てもらうのが安心です。
- 巣が大きい: ソフトボール大以上の巣は、中にいる蜂の数が多く、駆除作業の危険性が格段に上がります。
- 巣の場所が高い、狭い、複雑: 2階以上の軒下、屋根裏、壁の中、木の高い枝など、安全に作業できない場所にある巣。特殊な機材や技術が必要になります。
- 蜂の数が多い、活動が活発: 巣の周りをたくさんの蜂が飛び回っている場合。
- 過去に蜂に刺されたことがある、アレルギー体質である: アナフィラキシーショックのリスクが高い人は、絶対に自分で駆除してはいけません。
- 高齢者や子供がいる家庭: 危険な状況を避けるため、専門家にお任せしましょう。
- 自分で駆除する準備ができない、自信がない: 無理はせず、プロに任せましょう。
これらの状況は、プロの知識、経験、専用装備があって初めて安全に対応できるものです。自分の安全と周囲への影響を最優先に考え、適切な判断をすることが重要です。
信頼できる蜂駆除業者の選び方
いざ業者に依頼しようと思っても、数多くの業者がいてどこを選べば良いか迷うかもしれません。ここでは、信頼できる業者を選ぶためのポイントをいくつかご紹介します。
地元の蜂駆除屋さんを探すポイント
地元の業者を選ぶことには、いくつかのメリットがあります。
- 迅速な対応: 地域密着型の業者は、移動距離が短いため、緊急性の高い場合でも比較的迅速に対応してくれる可能性が高いです。
- 地域特性への理解: その地域でよく見られる蜂の種類や、地域の住宅構造などに詳しいため、より的確な駆除方法を提案してくれる場合があります。
- 価格の透明性: 大手業者と比較して、中間マージンが発生しにくく、料金体系が分かりやすい場合があります。
地元の業者を探す際は、インターネット検索で「〇〇市 蜂 駆除」のように地域名を入れて検索したり、地域のタウン情報誌や口コミサイトを参考にしたりすると良いでしょう。
複数業者から見積もりを取る重要性
業者選びで最も大切なことの一つが、複数の業者から見積もりを取ることです。
- 料金の比較: 同じような状況でも、業者によって料金設定は大きく異なります。複数の見積もりを比較することで、適正価格を知ることができます。
- サービス内容の比較: 見積もり内容には、基本料金だけでなく、追加料金の条件、作業内容、アフターサービス(戻り蜂への対応など)が含まれています。これを比較検討することで、自分に合ったサービスを提供している業者を見つけられます。
- 業者の対応を確認: 見積もり依頼の際の対応(電話口の丁寧さ、質問への回答の的確さなど)も重要な判断材料です。信頼できる業者かどうかを見極める材料になります。
信頼できる業者を選ぶ際には、単に料金だけでなく、その業者がどのような基準で作業を行っているか、知識や経験は豊富かなども確認したいポイントです。大規模な施設における衛生管理基準としては、厚生労働省が定める建築物環境衛生管理基準のようなものもあり、プロの業者は安全で確実な作業を提供するための知識や技術を持っています。
可能であれば、3社以上の業者から見積もりを取り、料金とサービス内容、そして担当者の対応を総合的に判断して決めましょう。見積もりは無料で行っている業者が多いですが、念のため確認が必要です。
駆除業者の対応方法と流れ
蜂駆除業者に依頼した場合の一般的な流れは以下のようになります。
- 問い合わせ: 電話やウェブサイトの問い合わせフォームから業者に連絡し、蜂の巣の状況(場所、大きさ、蜂の種類など、分かれば伝える)を伝えて相談します。
- 現地調査・見積もり: 業者が現地に赴き、巣の状況を詳しく調査します。その上で、駆除方法や作業にかかる時間、正確な料金の見積もりを提示します。この際、追加料金が発生する条件や、アフターサービスについても必ず確認しましょう。
- 契約・作業日の決定: 見積もり内容に納得すれば契約となり、駆除作業を行う日時を調整します。緊急性が高い場合は、即日対応が可能な場合もあります。
- 駆除作業: プロの装備(防護服、専用薬剤、機材など)を着用し、安全かつ迅速に駆除作業を行います。通常、数十分から1時間程度で完了することが多いですが、巣の場所や大きさによっては時間がかかることもあります。駆除後は巣の撤去も行います。
- 料金の支払い: 作業完了後、事前に確認した方法で料金を支払います。
- アフターサービス: 多くの業者は、駆除後に再び蜂が巣を作った場合などに、一定期間内に限り無料で再駆除を行うといったアフターサービスを提供しています。これも契約前に確認しておくべき重要なポイントです。
業者に依頼することで、危険な作業をプロに任せられるだけでなく、確実な駆除と、戻り蜂への対策など、再発防止に関しても適切なアドバイスや対応を受けられる安心感があります。
蜂の巣 種類と見分け方
日本でよく見かける蜂の種類はいくつかありますが、特に注意が必要なのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチです。それぞれの蜂と巣には特徴があり、見分けることで危険度を判断し、適切な対応をとることができます。
スズメバチの巣の特徴と危険性
スズメバチは、日本の蜂の中でも特に攻撃性が高く、毒性も強いため、最も危険な蜂とされています。
- 巣の特徴: 初期段階ではフラスコを逆さにしたようなとっくり型をしていますが、大きくなるとボール状(球状)や楕円形になります。表面にはマーブル模様のような複雑な幾何学模様があるのが特徴です。木の高い枝、軒下、屋根裏、壁の中、地中など、様々な場所に巣を作ります。
- 蜂の特徴: 体が大きく(オオスズメバチは最大4cmを超える)、黄色と黒の鮮やかな警戒色をしています。飛行速度が速く、羽音が大きいのも特徴です。非常に攻撃性が高く、巣に近づくだけで警戒して威嚇してくることがあります。毒性が強く、刺されると激しい痛みを伴い、複数回刺されると命に関わる危険があります。
スズメバチの巣や蜂を見かけたら、絶対に近づかず、静かにその場を離れてください。自分で駆除しようとするのは非常に危険です。
アシナガバチの巣の特徴
アシナガバチは、比較的穏やかな性質ですが、巣を刺激すると攻撃してきます。スズメバチほどではありませんが、毒を持っており、刺されると痛みを伴います。
- 巣の特徴: シャワーヘッドのような形状や、お椀を逆さにしたような形状で、六角形の巣穴が見えているのが特徴です。巣の材料は木材をかじって唾液と混ぜ合わせたもので、灰色っぽい色をしています。軒下、ベランダ、庭木、カーポートの中など、比較的開けた場所に巣を作ることが多いです。
- 蜂の特徴: 体が細長く、後脚が長いのが特徴です。黄色と黒の模様がありますが、スズメバチよりはやや細身です。スズメバチほど攻撃的ではありませんが、巣の近くを通るだけで威嚇してくることがあります。
アシナガバチの巣も、大きくなると危険です。特に夏から秋にかけては働き蜂が増え、攻撃性が増すため注意が必要です。
ミツバチの巣の特徴
ミツバチは、養蜂もされているように、基本的にはおとなしい蜂です。分蜂(ぶんぽう)といって、群れの一部が新しい巣を作るために移動することがありますが、通常は攻撃してくることは少ないです。ただし、巣を強く刺激したり、蜂を捕まえようとしたりすると刺すことがあります。
- 巣の特徴: 平板状の集合体(巣板)を何枚も重ねて作ります。ロウで作られており、蜂蜜がたまっていると黄色っぽい色に見えます。壁の中、床下、屋根裏、木の洞など、閉鎖された空間に巣を作ることが多いのが特徴です。分蜂直後は、木の枝などに一時的に塊になって留まることもあります。
- 蜂の特徴: 体は丸みを帯びており、全体的に毛深く見えます。黒っぽい体に黄色の帯模様があります。
ミツバチは比較的危険度が低いですが、巣が大きくなると大量の蜂蜜や巣板で重くなり、建物の構造に影響を与えたり、衛生上の問題を引き起こしたりすることもあります。また、ミツバチの針は一度刺すと抜けて蜂は死んでしまいますが、皮膚に針が残ることがあります。
これらの特徴を知っておくことで、どの種類の蜂の巣かを見分け、自分で対応できるか、あるいはすぐに業者に依頼すべきかを判断するのに役立ちます。
蜂に刺された時の応急処置
万が一、蜂に刺されてしまった場合は、落ち着いて迅速な応急処置を行うことが重要です。特にスズメバチに刺された場合や、アレルギー体質の方は注意が必要です。
- その場から離れる: 刺された場所には毒液の匂いが残っており、他の蜂を刺激して集めてしまう可能性があります。すぐに安全な場所へ移動しましょう。
- 針が残っていたら抜く: ミツバチに刺された場合、皮膚に針(毒針と毒嚢)が残ることがあります。指でつまむと毒液を絞り出してしまうことがあるため、クレジットカードなどのカードや爪を使って、皮膚に沿って払い飛ばすようにして抜きましょう。スズメバチやアシナガバチの針は通常皮膚に残りません。
- 毒液を絞り出す・洗い流す: 傷口を流水でよく洗い流し、毒液を絞り出すようにします。可能であれば、ポイズンリムーバー(毒を吸い出す器具)を使用すると効果的です。口で吸い出すのは、毒が体内に入る可能性があるため避けてください。
- 冷やす: 患部を冷やすことで、痛みや腫れを和らげることができます。清潔なタオルで包んだ保冷剤や氷を当てましょう。
- 薬を塗る: 蜂刺されに効果のある、抗ヒスタミン成分やステロイド成分を含む軟膏やクリームを塗ります。市販薬で対応できる場合もあります。
- 病院へ行くタイミング: 以下の症状が現れた場合は、すぐに医療機関(救急外来など)を受診してください。
- 刺された箇所以外にじんましんやかゆみが広がる
- 吐き気や嘔吐
- 呼吸困難や息苦しさ
- 声のかすれ、喉の圧迫感
- めまい、立ちくらみ
- 意識がもうろうとする
これらはアナフィラキシーショックの兆候である可能性があり、迅速な治療が必要です。
初めて刺された場合でも、体質によってはアレルギー反応が出る可能性があります。また、複数回刺された場合は、アレルギー反応が重く出やすい傾向があります。少しでも体調に異変を感じたら、迷わず医療機関を受診しましょう。
【まとめ】蜂駆除は状況判断と安全第一で
蜂の駆除は、蜂の種類、巣の大きさや場所、そしてご自身の体質など、様々な要因によって危険度が大きく変わります。
- 小さい巣や比較的おとなしい蜂(初期のアシナガバチやミツバチなど) の駆除は、適切な準備と手順を踏めば自分で行える可能性があります。しかし、必要な道具を揃え、安全対策を万全に行うことが大前提です。
- スズメバチの巣や大きな巣、高所・狭所にある巣 など、少しでも危険を感じる場合は、迷わず専門の蜂駆除業者に依頼してください。プロの知識、経験、装備があれば、安全かつ確実に駆除してもらえます。
- 業者に依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなくサービス内容やアフターサービスもしっかり比較検討しましょう。
- 万が一刺されてしまった場合は、落ち着いて応急処置を行い、異変を感じたらすぐに医療機関を受診してください。
蜂とのトラブルを防ぐためには、日頃から庭や家の周りを点検し、巣が小さいうちに発見すること、そして蜂が寄り付きにくい環境づくり(予防)も大切です。
蜂の駆除は「安全第一」です。この記事の情報が、蜂にお困りの皆様の適切な判断と安全な対応につながれば幸いです。
免責事項:
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する個別の対応を保証するものではありません。蜂の駆除を行う際は、ご自身の状況に合わせて適切な判断を行い、安全を最優先にしてください。ご自身での駆除に不安がある場合や、危険性の高い蜂の場合は、必ず専門の駆除業者や自治体にご相談ください。蜂刺されに関する症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。本記事の情報に基づいて発生したいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。