止水栓の故障トラブル解決!水漏れ・回らない時の原因と修理・業者費用

止水栓の故障は、日常生活で突然起こりうる困ったトラブルの一つです。
トイレやキッチン、洗面台などで水漏れが発生したり、いざ閉めようと思っても固くて回せなかったり、逆に空回りしてしまったりと、その症状は様々です。
放置しておくと、水道代の増加や建物の損傷、さらにはご近所への迷惑につながる可能性もあります。

この記事では、止水栓の主な故障症状とその原因、自分でできる応急処置、そしてプロに依頼すべきケースやその際のポイントについて、止水栓の故障でお困りの方が安心して対処できるよう、徹底的に解説します。
この記事を読めば、止水栓のトラブルに冷静に対応し、適切な解決策を見つけることができるでしょう。

目次

止水栓の主な故障症状とは?

止水栓は、特定の水回りの水の供給を止めたり、水量を調整したりするための重要な部品です。
この止水栓が故障すると、主に「水漏れする」か「うまく操作できない(回らない)」という症状が現れます。
それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

止水栓からの水漏れの原因と対処法

止水栓からの水漏れは、最もよくある故障症状です。
どこから水漏れしているかによって原因と対処法が異なります。
まずは水漏れ箇所を特定することが重要です。

接続部からの水漏れ

止水栓と給水管、あるいは止水栓と器具(トイレのタンクや給水ホースなど)の接続部分から水が漏れている場合です。

主な原因:

  • パッキンの劣化: 最も一般的な原因です。
    接続部には水漏れを防ぐためのゴムパッキンやシールテープが使用されていますが、これらが長年の使用により劣化し、弾力性を失ったりひび割れたりすることで隙間ができ、水漏れが発生します。
    パッキンの寿命は一般的に10年程度と言われています。
  • ナットの緩み: 接続部のナットが振動や経年により緩んでいる場合、隙間から水が滲み出てくることがあります。
  • 部品の破損: 接続部そのものに亀裂が入ったり、ネジ山が潰れたりしている場合も水漏れの原因となります。
    これは無理な締め付けや外部からの衝撃によって起こり得ます。

対処法:

  1. 元栓を閉める: 作業を行う前に、必ず建物の水道の元栓を閉めて水の供給を完全に止めます。
    元栓の場所は一戸建ての場合は敷地内の地面、集合住宅の場合は玄関横のメーターボックス内にあることが多いです。
  2. 接続部の確認: どこから水が漏れているかを正確に確認します。
    水滴がどこから落ちているか、ティッシュペーパーなどを当ててみたり、目視で慎重に観察します。
  3. ナットの増し締め: 接続部のナットが緩んでいるだけの場合は、モンキーレンチなどの工具を使って優しく増し締めしてみます。
    ただし、強く締めすぎると部品を破損させる可能性があるため注意が必要です。
    締め付けすぎは禁物です。
  4. パッキン交換: 増し締めしても水漏れが止まらない場合は、パッキンの劣化が考えられます。
    劣化したパッキンを新しいものに交換する必要があります。
    止水栓の種類や接続箇所によって使用するパッキンの種類(平パッキン、Oリングなど)やサイズが異なります。
    交換には、該当するパッキンとモンキーレンチ、必要に応じてシールテープなどの工具・材料が必要です。
    パッキン交換の手順は比較的簡単ですが、サイズ選びや取り付け方を間違えると水漏れが再発したり、別の箇所が破損したりするリスクもあります。
    作業に自信がない場合はプロに依頼することを検討しましょう。

パッキン交換でも改善しない場合や、部品そのものが破損している場合は、部品交換や止水栓本体の交換が必要になります。
この場合は専門的な知識や工具が必要になるため、無理せず水道業者に依頼するのが賢明です。

本体からの水漏れ

止水栓本体の金属部分やハンドル部分、あるいは壁や床から出ている部分の内部から水が漏れている場合です。
接続部以外からの水漏れは、内部部品の深刻な劣化や本体の破損を示唆している可能性が高いです。

主な原因:

  • 内部バルブ(弁)の劣化: 止水栓の内部には水量を調整したり完全に水を止めたりするための弁(バルブ)があります。
    この弁やそれを操作するスピンドルなどの部品が長年の使用により摩耗したり腐食したりすると、完全に水が止まらなくなり、本体の隙間などから水が漏れ出すことがあります。
  • 本体の腐食・破損: 止水栓本体そのものが、水質や経年劣化によって腐食したり、ひび割れを起こしたりすることがあります。
    特に古い金属製の止水栓に起こりやすい現象です。
  • 凍結による破損: 冬場、気温が氷点下になると、止水栓内部の水が凍結して膨張し、本体を破損させることがあります。
    凍結融解を繰り返すことで徐々にダメージが蓄積する場合もあります。

対処法:

本体からの水漏れは、内部の構造に問題がある場合がほとんどです。
パッキン交換のような簡単な修理では対応できないことが多く、止水栓本体の交換が必要になるケースが一般的です。

  1. 元栓を閉める: まずは速やかに建物の元栓を閉め、水の供給を止め、水漏れを止めることが最優先です。
  2. 応急処置: 漏れている箇所にタオルや吸水シートなどを当てて、被害の拡大を最小限に抑えます。
    バケツなどで水を受けるのも有効です。
  3. 専門業者への連絡: 本体からの水漏れは個人で修理することは非常に困難であり、かえって状況を悪化させるリスクが高いです。
    信頼できる水道修理業者にすぐに連絡し、点検・修理(多くの場合、本体交換)を依頼しましょう。

止水栓が回らない原因と対処法

水漏れとは逆に、止水栓を操作しようとしてもハンドルが動かない、あるいは動くのに水量が変化しないという症状もあります。

固着している場合(回せない)

ハンドルやレバーが固まってしまい、全く回せない、あるいは非常に重くて動かせない状態です。

主な原因:

  • 長期間の不使用: 止水栓は普段あまり操作しない場所にあるため、長期間開けっ放しや閉めっぱなしになっていると、内部部品が水垢やサビ、カルキなどで固着してしまうことがあります。
  • 水質の硬度: 水道水に含まれるミネラル分(特にカルシウム)が多い地域では、これらの成分が堆積して固着を引き起こしやすいです。
  • 内部部品のサビ: 金属部品が腐食してサビが発生し、可動部を固めてしまうことがあります。

対処法:

固着した止水栓を無理に力任せに回そうとすると、ハンドルが折れたり、内部部品や本体を破損させたりする危険があります。
慎重な対応が必要です。

  1. 無理な力は避ける: 絶対に力任せに回そうとしないでください。
  2. 潤滑剤の使用(限定的): 止水栓のハンドル部分の隙間などに、浸透性の高い潤滑剤(KURE 5-56など)を少量吹き付けて、しばらく放置してみることで固着が緩む場合があります。
    ただし、水栓内部に潤滑剤が入ると異臭や水質への影響が出る可能性があるため、使用は自己責任で慎重に行い、食品や飲料に使う可能性がある場所(キッチンなど)では避けた方が無難です。
    また、潤滑剤を使っても改善しない場合は、それ以上の試みは危険です。
  3. プロに依頼: 固着がひどく、自分で対処できない場合は、専門業者に依頼しましょう。
    業者であれば、固着を解消する専用工具や技術を持っているか、または安全に本体ごと交換してくれます。

空回りしている場合

ハンドルやレバーは回るのに、水の量が変化しない、あるいは水が止まらない状態です。

主な原因:

  • 内部部品(スピンドルなど)の破損: ハンドルと連動して内部の弁を動かすスピンドルという部品が、摩耗や破損によりハンドルとのかみ合わせが悪くなっている状態です。
    ハンドルを回してもスピンドルが一緒に回転しないため、弁が動かず水量が変化しません。
  • ハンドルの取り付け不良: ハンドルがスピンドルにしっかりと固定されていない場合も空回りします。
    これは稀なケースですが、以前に修理した際などに起こり得ます。

対処法:

空回りの場合、内部部品が物理的に破損している可能性が高いため、部品交換または本体交換が必要になります。

  1. 元栓を閉める: 水が止まらない場合は、元栓を閉めて水の供給を止めるのが最優先です。
  2. 内部の確認: 止水栓の種類によっては、ハンドルのネジを外して内部のスピンドルなどの状態を目視で確認できる場合があります。
    ただし、分解作業は専門知識が必要であり、元に戻せなくなるリスクもあるため注意が必要です。
  3. 専門業者への依頼: 内部部品の破損は個人での修理が難しいため、専門業者に依頼して、原因を特定してもらい、必要な部品交換や本体交換を行ってもらうのが最も確実で安全な方法です。

止水栓が故障する原因

止水栓の故障は、突発的に起こることもありますが、多くは何らかの原因が積み重なって発生します。
主な原因を理解することで、日頃のメンテナンスや予防にもつながります。

経年劣化による部品の損傷

止水栓は金属やゴム、プラスチックなど様々な部品で構成されています。
長年の使用により、これらの部品は徐々に劣化していきます。

  • ゴムパッキン: 水と常に接しているため、最も劣化しやすい部品の一つです。
    弾力性を失い硬化したり、ひび割れたりします。
    これが水漏れの主な原因となります。
  • 内部バルブ(弁)やスピンドル: 開閉操作を繰り返すことで摩耗したり、水垢やサビの影響でスムーズに動かなくなったりします。
    これが固着や空回りの原因になります。
  • 金属部品: 黄銅などの金属部品も、長期間水にさらされることで腐食したり、強度が低下したりすることがあります。

止水栓の耐用年数は、一般的に10年程度と言われています。
設置から10年以上経過している場合は、経年劣化による故障のリスクが高まっていると考えられます。

無理な操作や外部からの衝撃

止水栓を無理に力任せに回したり、全開や全閉の位置でさらに強く締め付けたりすると、内部部品やハンドル、本体に過剰な負担がかかり、破損の原因となります。
また、家具をぶつけたり、掃除中に強く衝撃を与えたりといった外部からの力も、本体の破損や取り付け部の緩みにつながることがあります。

水質による内部の腐食や固着

水道水に含まれるミネラル分(カルキ)や鉄分などが、止水栓の内部に付着・堆積することがあります。
特に水質の硬度が高い地域では、これらの成分が結晶化して非常に固くなり、内部部品の動きを妨げ、固着や操作不良の原因となります。
また、鉄分が多い水質の場合は、内部部品がサビやすくなり、腐食による劣化を早める可能性があります。

凍結による破損

冬場、外気温が氷点下になり、止水栓内部の水が凍結すると、体積が膨張し、金属製の本体であっても破損させることがあります。
特に、屋外に設置されている止水栓や、建物の北側で日が当たらない場所、風通しの良い場所にある止水栓は凍結のリスクが高まります。
凍結が原因で破損した場合は、本体に亀裂が入ったり、接続部が破裂したりすることがあります。

自分でできる止水栓の故障診断と応急処置

止水栓のトラブルが発生した際、すぐに専門業者に依頼できない場合や、被害の拡大を防ぎたい場合には、自分でできる診断や応急処置を試みることができます。
ただし、無理は禁物です。

故障箇所の特定方法

水漏れの場合、どこから水が漏れているかを正確に特定することが応急処置やその後の対応の第一歩です。

  1. 目視による確認: まずは止水栓全体をよく見て、どこから水滴が出ているか、濡れている箇所がないかを確認します。
  2. 触って確認: 乾燥したティッシュペーパーや布などを止水栓の各部に当ててみて、濡れる箇所がないか確認します。
    接続部、ハンドル下、本体表面などを順番にチェックします。
  3. 音で確認: 漏れが大きい場合は、シューシューという水の漏れる音が聞こえることがあります。
  4. 症状の観察: 水を流した時だけ漏れるのか、常に漏れているのか、水量の調整をしようとした時に症状が出るのかなど、特定の操作と症状の関連性も観察します。

回らない場合は、ハンドル自体が固いのか、ハンドルは回るが水量が変化しないのか(空回り)、どの方向に回そうとしているのか(開ける方向か閉める方向か)を明確にします。

一時的に水を止める方法(元栓)

水漏れが発生した場合の最も重要かつ確実な応急処置は、建物の水道の元栓を閉めることです。
これにより、家全体の水の供給がストップし、水漏れを一時的に完全に止めることができます。

  • 元栓の場所:
    • 一戸建て: 敷地内の地面にある水道メーターボックス内に設置されているのが一般的です。
      丸い鉄やプラスチックの蓋が目印です。
    • 集合住宅(マンション・アパートなど): 玄関横などのパイプスペース(PS)内にあることが多いです。
      メーターと一緒に設置されています。
  • 元栓の閉め方:
    • ハンドル式の場合は、時計回り(右回り)に回すと閉まります。
    • レバー式の場合は、レバーをバルブと垂直の向きに倒すと閉まります。

注意点: 元栓を閉めると家中の水が使えなくなります。
応急処置として行い、その間に修理の手配を進めましょう。
また、元栓を閉める際も、固いからといって無理に回すと破損する可能性があるので注意が必要です。

トイレの止水栓だけが故障した場合でも、水漏れがひどい場合は元栓を閉めるのが最も安全な方法です。

水漏れ箇所の簡易的な締め直し

止水栓と給水管、あるいは止水栓と給水ホースの接続部分からの水漏れの場合、ナットが少し緩んでいるだけという可能性もゼロではありません。
この場合、モンキーレンチなどの工具を使って、接続部のナットを優しく増し締めすることで水漏れが止まることがあります。

  1. 元栓を閉める: 必ず元栓を閉めてから作業してください。
  2. ナットの位置確認: 水漏れしている接続部のナットを確認します。
  3. 優しく締め付け: モンキーレンチをナットにしっかりかけ、時計回り(右回り)に少しずつ回して締め付けていきます。

締め付けすぎに注意: 絶対に力任せに締め付けないでください。
部品を破損させる可能性があります。
少し締めては水漏れが止まるか確認する、という手順を繰り返します。

この方法はあくまで簡易的な応急処置です。
ナットの緩みではなく、パッキンの劣化が原因の場合は、締め付けても水漏れが止まらないか、一時的に止まってもすぐに再発する可能性が高いです。
また、本体からの水漏れにはこの方法は全く効果がありません。

自分で修理・交換は可能?プロに任せるべきケース

止水栓の修理や交換は、部品によってはDIYで対応できる場合もありますが、専門知識や工具が必要な場合が多く、リスクも伴います。
自分で修理・交換する際の注意点と、プロに依頼すべきケースについて解説します。

自分で止水栓を修理・交換するリスク

止水栓の修理・交換を自分で行うことには、いくつかのリスクが伴います。

  • 状況の悪化: 無理な作業によって、他の部品を破損させたり、水漏れをさらにひどくしてしまったりする可能性があります。
    特に固着した止水栓を無理に動かそうとすると、本体や配管を傷つけるリスクが高いです。
  • 水浸しの被害: 作業中に誤って配管を外してしまったり、修理がうまくいかずに水が噴き出してしまったりすると、床や壁が水浸しになり、建物の損傷につながる可能性があります。
    集合住宅の場合は、下の階の部屋にまで被害が及ぶことも考えられます。
  • 部品の選定ミス: 止水栓の種類やメーカーによって、使用されているパッキンや内部部品の規格が異なります。
    誤った部品を使用すると、うまく取り付けられなかったり、すぐに不具合が生じたりします。
  • 専門知識・工具の必要性: 止水栓の内部構造や配管の接続方法には専門的な知識が必要です。
    また、適切な工具(各種レンチ、パイプレンチ、シールテープなど)がないと作業が困難なだけでなく、無理な工具の使用が破損につながることもあります。
  • 手間と時間: DIYに慣れていない場合、原因の特定から部品探し、作業、後片付けまで、予想以上の手間と時間がかかることがあります。

パッキン交換や簡易的な増し締めなど、比較的簡単な作業であれば挑戦してみる価値はありますが、それ以上の分解や本体交換はリスクが高いと言えます。

専門業者に依頼すべき判断基準

以下のようなケースでは、無理に自分で解決しようとせず、迷わず専門の水道修理業者に依頼することをおすすめします。

依頼すべきケース 理由
止水栓本体から水漏れしている 内部部品や本体の破損が考えられ、個人での修理は困難かつ危険。
止水栓が固着して全く回せない 無理に回すと破損するリスクが高く、専門的な技術や工具が必要になることが多い。
止水栓が空回りして機能しない 内部部品が破損している可能性が高く、部品交換や本体交換が必要になる。
自分で応急処置を試みたが改善しない 簡易的な対処法では解決できない、より深刻な原因がある可能性がある。
複数の止水栓や広範囲で問題が発生 家全体の給水システムに問題がある可能性も考えられ、専門的な診断が必要。
作業に自信がない、工具を持っていない 無理な作業は状況悪化のリスクを高めるため、最初からプロに任せるのが安全。
築年数が古い、配管の状態が不明 古い止水栓や配管は劣化が進んでいる可能性が高く、作業中に予期せぬトラブルが発生しやすい。
水漏れがひどく、元栓を閉めても不安 緊急性が高く、迅速かつ確実な対応が必要。

特に、本体からの水漏れや、操作不能といった症状は、内部の重要な部品や本体そのものに問題があるサインです。
これらの場合は、専門業者による適切な診断と修理・交換が必要です。

止水栓の修理・交換を業者に依頼する際のポイント

専門業者に依頼することを決めたら、安心して任せられる業者を選ぶことが重要です。
また、費用についても事前に確認しておきましょう。

信頼できる業者の選び方

水道修理業者は数多く存在しますが、中には悪質な業者もいるため注意が必要です。
以下のポイントを参考に、信頼できる業者を選びましょう。

  • 明確な料金体系: 修理内容に応じた料金表が公開されているか、見積もりは無料か、追加料金が発生する可能性があるかなどを事前に確認しましょう。
    作業前に必ず詳細な見積もりを提示してもらい、不明な点は納得いくまで説明を求めましょう。
  • 実績と評判: ホームページなどで過去の施工事例や顧客の口コミを確認しましょう。
    インターネット上のレビューサイトなども参考になりますが、すべてを鵜呑みにせず、複数の情報源を確認することが大切です。
    知人からの紹介も有効です。
  • 水道局指定工事店であるか: 各自治体の水道局が指定する工事店は、技術や管理体制などの基準を満たしているため、一定の信頼性があります。(ただし、指定工事店でなくても優良な業者はいます)
  • 賠償責任保険への加入: 万が一、作業中に事故や損害が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入している業者を選びましょう。
  • 受付体制と対応速度: 電話やメールでの問い合わせに対する対応が丁寧か、緊急時に迅速に対応してくれるか(24時間対応など)も重要な判断基準です。
  • 所在地が明確か: 会社の所在地や連絡先が明確に示されているか確認しましょう。

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも大切です。
見積もり内容や担当者の対応を比較することで、より適切な業者を選ぶことができます。

修理・交換にかかる費用の目安

止水栓の修理・交換にかかる費用は、故障箇所、症状、止水栓の種類、作業内容、業者によって大きく変動します。
あくまで一般的な目安として参考にしてください。

作業内容 費用の目安(部品代込み・税別) 備考
パッキン交換(簡易的なもの) 5,000円 ~ 10,000円 接続部のパッキンなど。
部品代は数百円程度。
作業費が主。
内部部品(スピンドルなど)交換 8,000円 ~ 15,000円 固着や空回りの原因となる内部部品の交換。
部品代がパッキンより高め。
止水栓本体の交換 10,000円 ~ 30,000円 本体からの水漏れや、修理が困難な場合。
止水栓の種類や壁・床かで変動。
出張費・基本料金 3,000円 ~ 6,000円 修理費用とは別にかかる場合が多い。
深夜・早朝は割増になることも。
高圧洗浄や特殊作業 別途見積もり ひどい固着や配管内部の清掃などが必要な場合。
  • 上記の費用は目安であり、築年数や設置状況、業者の方針によって大きく変わります。
  • 新しい止水栓に交換する場合、選ぶ止水栓のグレードによって部品代が変動します。
  • 壁の中や床下など、露出していない部分の作業は、費用が高くなる傾向があります。

正確な費用を知るためには、必ず複数の業者から現地調査の上で見積もりを取ることが重要です。
見積もりには、作業内容、必要な部品、それぞれの費用が明確に記載されているか確認しましょう。

トイレの止水栓以外で故障しやすい場所

止水栓はトイレだけでなく、様々な水回りに設置されています。
それぞれの場所の止水栓の特徴や故障しやすい点を知っておきましょう。

洗面台の止水栓

洗面台の下の収納スペース内や、壁・床から出ている給水管に設置されています。
混合栓の場合、お湯用と水用の2つの止水栓があるのが一般的です。

特徴と故障しやすい点:

  • 洗面台下の狭い空間に設置されていることが多く、作業性が悪い場合があります。
  • 化粧品や清掃用品などが周囲に置かれていることもあり、外部からの衝撃を受けやすい環境にある場合があります。
  • 使用頻度が高い場所のため、内部部品の摩耗が比較的早く進む可能性があります。

キッチンの止水栓

システムキッチンのシンク下の収納スペース内や、壁・床から出ている給水管に設置されています。
洗面台と同様、お湯用と水用の2つがあるのが一般的です。

特徴と故障しやすい点:

  • 洗剤や食品などが周囲に置かれていることが多く、湿気もこもりやすいため、金属部品の腐食が進みやすい環境にある場合があります。
  • 調理器具などを出し入れする際に、誤って止水栓にぶつけてしまうリスクがあります。
  • シンク下のスペースが狭く、作業が難しい場合があります。

屋外の止水栓

庭の散水栓や、屋外に設置された給湯器などにつながる止水栓です。
建物の外壁近くや、地面に埋められたボックス内にあります。

特徴と故障しやすい点:

  • 外気にさらされているため、凍結による破損のリスクが最も高い場所です。
    冬場は凍結防止対策が必要になる場合があります。
  • 直射日光や雨風にさらされることで、本体やハンドルの劣化(ひび割れ、変色など)が早く進む可能性があります。
  • 土や砂が詰まりやすく、固着の原因となることがあります。

これらの場所の止水栓も、故障の症状や原因、基本的な対処法はトイレの止水栓と同様ですが、設置環境に応じた特有のリスクや注意点があることを理解しておきましょう。

止水栓の故障に関するよくある質問

止水栓の故障に関して、よくある疑問点とその回答をまとめました。

トイレの止水栓はどこにある?(壁・床タイプなど)

トイレの止水栓は、タンク付きのトイレの場合、主に以下の2つの場所に設置されています。

  1. 壁給水タイプ: トイレタンクのすぐ横、または少し下の壁から給水管が出ており、そこに止水栓が取り付けられています。
    壁に固定されているタイプが多いです。
  2. 床給水タイプ: トイレタンクの真下あたり、床から給水管が出ており、そこに止水栓が取り付けられています。
    床に固定されているタイプが多いです。

タンクレストイレや一体型トイレの場合は、便器本体の背面に設置されていることが多いです。
機種によって場所が異なるため、取扱説明書を確認するか、メーカーのホームページで調べるのが確実です。

止水栓はどこまで回すのが正しい?(開けすぎ・締めすぎ)

止水栓は、完全に開けることも完全に閉めることも可能ですが、適切な使い方は以下の通りです。

  • 全閉: 時計回り(右回り)に回し続けると、水が完全に止まります。
    修理や清掃などで水を止めたい時に行います。
    ただし、古い止水栓や固着している止水栓を無理に全閉しようとすると破損のリスクがあるため注意が必要です。
  • 全開: 反時計回り(左回り)に回し続けると、最も水量が流れる状態になります。
    しかし、通常使用時には全開にする必要はありません。
    水圧が高すぎると器具に負担をかけたり、音がうるさくなったりすることがあります。
  • 適正水量での調整: 一般的な使用では、反時計回り(左回り)に回して水を出し、必要な水量が確保できる位置で止めるのが正しい使い方です。
    完全に開け切る必要はありません。
    これにより、水圧を調整し、器具への負担を減らし、水の飛散なども抑えることができます。
  • 締めすぎに注意: 水を止めたい時に、必要以上に強く締め付ける(締めすぎる)ことは絶対に避けてください。
    内部のパッキンや弁に過剰な力がかかり、劣化や破損を早める原因となります。
    水が止まった位置で、それ以上無理に締め付けないようにしましょう。

日頃から適正な位置で使用し、時々少し開け閉めして固着を防ぐことも予防につながります。

止水栓の故障は放置せず早めにプロへ相談を

止水栓の故障、特に水漏れは、放置しておくと様々な問題を引き起こします。

  • 水道料金の高騰: わずかな水漏れでも、24時間漏れ続けると水道代が大幅に高額になる可能性があります。
  • 建物の損傷: 長時間水が漏れ続けると、床材や壁材が腐食したり、カビが発生したり、建物の構造自体にダメージを与えたりする可能性があります。
  • 階下への漏水被害(集合住宅): 集合住宅の場合、階下へ水漏れが発生し、賠償問題に発展するリスクがあります。
  • 二次的な故障: 止水栓の故障が原因で、接続されている器具(トイレタンクなど)にも負担がかかり、別の故障を引き起こす可能性があります。

「これくらいなら大丈夫だろう」と軽視せず、止水栓の故障に気づいたら早めに対処することが重要です。
自分でできる応急処置を試みるのは良いですが、原因が特定できない場合や、自分で修理する自信がない場合、症状が改善しない場合は、速やかに専門の水道修理業者に相談することをおすすめします。

プロであれば、豊富な知識と経験、専用の工具を用いて、正確な原因を特定し、安全かつ確実に修理や交換を行ってくれます。
早めにプロに依頼することで、被害の拡大を防ぎ、結果的に修理費用やその他の損害を最小限に抑えることにつながります。

止水栓のトラブルは、日々の生活の安心を脅かすものです。
この記事が、あなたが止水栓の故障に適切に対処するための一助となれば幸いです。
もしお困りでしたら、信頼できるプロへの相談もぜひご検討ください。


免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の製品や状況に完全に当てはまることを保証するものではありません。
止水栓の修理や交換には専門的な知識や技術が必要です。
ご自身の状況に合わせて、必要であれば専門家にご相談ください。
本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、筆者および提供元は一切の責任を負いかねます。

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