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説明 建物の外壁に、ひびが入っているのを見て放置していて大丈夫なのかどうか迷っていませんか?大きいひび割れは、放置しておくと雨漏りが起きてしまうこともあります。しかし、ひび割れがすべて危険というわけではありません。焦って「悪質な業者に依頼してしまった!」とならないために今回は、ひび割れの種類別の修理方法などをご紹介します。
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建物の外壁に、ひびが入っているのを見て放置していて大丈夫なのかどうか迷っていませんか?
普段あまり意識して見ない外壁も、気づかないうちに少しずつ老朽化が進んでいます。劣化が原因で外壁に起こる一番多い被害が、「ひび割れ」です。大きいひび割れは、放置しておくと雨漏りが起きてしまうこともあります。
しかし、ひび割れがすべて危険で「早急に業者に修理依頼をしなければいけない!」というわけではありません。焦って「悪質な業者に依頼してしまった!」とならないためにも、基本的な知識を持っていたら安心ですよね。
そこで今回は、ひび割れの種類別に修理方法などをご紹介します。
修理の前に、どうして外壁にひび割れが起こったのか原因が気になる人もいますよね。
何もしていなくても経年劣化でひび割れが起こることはありますが、それ以外にもいろいろなことが原因でひび割れが起こることがあります。
そこでまずは、ひび割れの原因が気になっている人に向けて、「外壁にひび割れが起こる原因」のご紹介からしたいと思います。
日本はほかの国に比べて、地震が多い国です。その地震が起こす振動によって建物が揺れ、力が加わることでひび割れが生じやすくなります。
また、地震が起こることで地盤沈下が起こることがあります。地盤沈下が起こると、基礎が沈んで家が傾き、建物に歪みが出ることでひび割れに繋がることもあります。
道路沿いや線路沿いなど交通量が多い場所付近は、交通量が少ない場所に比べると振動を受ける頻度が多くなります。
必ずしも直接の原因になるわけではありませんが、経年劣化で外壁が脆くなっているとひび割れが起こることがあります。
湿度や気温の変化によって外壁が乾燥すると、壁が収縮しひび割れが起きます。とくに、外壁の素材にモルタルを使っている場合はこの「乾燥・収縮によるひび割れ」がよく起こります(素材の特性によるものです)。
モルタルだけでなく、シーリング剤(目地につまっているゴムのようなもの)も時間が経つと乾燥してひび割れるようになります。
モルタルとはセメントに砂と水を加えた建築資材のことをいいます。サイディングとは違って、職人さんが現場で材料を混ぜて壁に塗るので、職人さんの技術力によって仕上がりが変わる素材です。
最近は、工場生産される仕上がりに差が出ないサイディングが主流になっていますが、利点を知って、あえてモルタルを選ぶ人がいます。
外壁だとイメージしづらいかもしれませんが、家の窓際にソファやテーブルを置いておくと日光が当たる部分だけ変色していますよね。あれは、紫外線がずっと当たることで素材が変質して色が落ちています。
これと同様に、外壁も常に紫外線に晒されている状態にあり、時間経過とともに塗膜が劣化して脆くなり、ひび割れが起こるようになります。
紫外線は物の成分を破壊してしまう効果があり、それによって変色や劣化が生じます。外壁の色あせは雨水や湿気で起こることもありますが、ほとんどが紫外線によるものです。
紫外線が外壁にあたることで外壁のバリア機能である塗膜が壊れ、雨風などのダメージを防げなくなります。そして雨風の影響を直に受けて損傷し、外壁のひび割れなどが起こる原因になるのです。
こういったことがあるため、建築資材メーカーなどでは建築資材に紫外線を当てたり、雨水を当てるといった試験をして一定以上外部環境から受けるダメージに耐えられるかどうかをチェックしています。
稀にあるのが、「業者による手抜き工事」によるひび割れです。例えば、3回塗りを行うところを、コスト削減のため2回しか塗らないという工事を行った場合、塗装の強度が弱まり、当然耐久性は弱く、また劣化も早くなります。
また、こういった意図的な手抜き以外にも「技術力不足」によって塗りムラが出たり、作業手順を間違えるなどのミスで通常よりもひび割れが起こりやすくなることがあります。
こういった業者を避けるためにも、激安を売りにしている業者を避ける、見積り時に詳しい作業手順を聞く、作業を監督する人の経験を聞くといった確認をしておくと安心です。
外壁のひび割れは「ひびの幅」によって、種類(呼び名)が異なります。幅が大きくなるにつれて、住宅への被害が出る可能性・危険度が増します。
すぐに修理が必要なものもあれば、自分で簡単な補修をするだけでいいものもあります。まずは、自分の家の外壁にあるひび割れの種類がどれになるのか確認してみてはいかがでしょうか。
塗料のみにひび割れが入るものや、施工手順によってどうしても入ってしまうひび割れなどは放置・自分での補修で対処することが可能です。
この「塗料・施工手順によるひび割れ」は、主に3つあります。それぞれについて、ご紹介したいと思います。
ヘアークラックとは髪の毛のように細く、短いひび割れを指します。幅は0.3mm以下のものです。
塗膜(塗料の表面)のみが割れている状態が多く、すぐに修理が必要なひび割れではありません。
ただ、そのまま放置しておくとひび割れが広がることもあるのでホームセンターなどでシーリング剤や塗料を買ってきて、自分で補修しておくと安心です。
乾燥クラックとは、モルタル外壁でよくあるクラックです。サイディングボードと違って、砂やセメントを水で混ぜて直接外壁に塗るので乾燥するとひび割れが起こることがあります。
目地部分にわざと入れるものもあれば、施工ミスで外壁の目立つ部分にクラックが入ることがあります。
深さのないものであれば自分で塗料を買ってきてひび割れた部分だけを塗りなおして補修することができます。
ただし、施工ミスで深いクラックが入っているときは施工業者に連絡して確認・補修してもらった方がいいでしょう。
モルタルなどの現場で材料を混ぜて作る外壁で、一時的に作業を中断した場合、中断した場所と再開した場所で境目(縁)ができます。
この境目(縁)にできるのが、「縁切れクラック」です。縁切れクラックの場合は、ひび割れの中にシーリング剤を充填して補修するといった方法があります。
外壁材そのものが割れている場合は、その隙間から外壁の内側に雨水が入ってきて雨漏りに繋がることがあります。
建物の劣化を早めることにもなるため、自分の家のひび割れがそういった緊急度の高いものかどうかチェックしてみましょう。
建物の構造上重要な部分に起きるひび割れのことを「構造クラック」と言います。幅が3㎜以上、深さ5㎜以上の大きいクラックがある場合は、構造クラックの可能性があるため検査・補修をしたほうがいいでしょう。
外壁だけでなく、外壁の下側にある「基礎」のコンクリートにもクラックが入っているときは構造クラックの可能性があります。
構造クラックは、地震などが原因で起こることがあるので、大きな地震があった後は外壁や基礎部分にクラックが入っていないかチェックしたほうがいいでしょう。
窓や玄関などの開口部分と接している外壁に起こるクラックのことを、「開口クラック」といいます。
開口部分は他の部分と比べて強度が落ちるため、大きな地震が来た後にクラックが入ることがあります(施工ミスではなく、構造上の問題です)。
開口クラックを放置しておくと、クラックと開口部分の隙間から雨水が外壁内部に漏れてくることがあるため、早めに補修しておいた方がいいでしょう。
ひび割れの種類によっては修理が必要ないものもありますが、中には補修したほうがいいひび割れもあります。ここでは自分で補修する場合の方法をご紹介します。
ひび割れができたら、まず大きさを測ることで種類わけができます。自分で修理できるものもあれば、プロに依頼したほうがいいものもあります。自分で補修を行う場合、以下の方法で行います。
ひび割れの幅を測るにはホームセンターなどで購入できる、クラックスケールという道具が便利です。定規で測りづらい細かいひびもしっかり測定できます。
以下の目安をもとに判断できます。0.3mm~1mmほどの幅なら、自己補修が可能です。
幅0.3mm以下 | 補修不要。幅が広がる可能性はあるので、定期チェックはこまめに行いましょう。 |
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幅0.3mm以上1mm以下 | 要補修。自己補修できるひび割れもあります。 |
幅3mm以上 | 要補修。雨漏りなどの原因になる可能性がある。業者に相談することをおすすめします。 |
あくまで目安なので、迷ったときは専門業者に相談することをおすすめします。
幅1mm以下のひび割れの場合は、自分で補修も可能です。補修するときはコンクリート粉を塗布し、水を適量加えて修理する方法があります。
コンクリート粉というと難しそうな響きがしますが、簡単にできる2種類の方法をご紹介いたします。
チョーク式は、狭い範囲でもピンポイントに塗布できる利点がありますが、その分指圧が必要となるため、体力や時間が必要となります。
チョーク式と比べて時間はあまりかかりませんが、コンクリートが周りに飛んで無駄が出てしまいます。
以上の方法は、あくまで自己補修なのでひび割れ再発の可能性もあります。定期的なチェックを忘れずに行うことが大切です。
コンクリートをしっかり定着させるために、以下のことに注意して行いましょう。
外壁のひび割れで起こる被害で、一番多いのは雨漏りです。雨漏りは放置しておくとカビの原因にもなるため、結果的にひび割れの修理、雨漏りの修理、カビの除去などのハウスクリーニングと重なり、修理費用が膨らむこともあります。
大きなひび割れを長い期間放置していると、さらにひびが拡大してしまう恐れがあります。拡大したひび割れから雨水が侵入することで、雨漏りが発生します。ひびから発生するリスクには、こんなことがあります。
外壁に入ったひび割れから、雨水が建物内部に侵入し雨漏りが起こります。時間がたつにつれて、室内の雨漏りにつながります。
ひび割れによって起こった雨漏りをさらに放置すると、建物が腐食しシロアリが発生してしまうことがあります。それによって、建物の災害に対する耐性が低下してしまうのです。
こちらも雨漏りが生じて放置した際、湿気が多くなりカビが発生しやすくなります。カビは、アレルギーなどを引き起こす原因になる可能性があります。
ひび割れを放っておくと、さまざまな二次災害を招いてしまう可能性もあります。よく「修理費用が2倍になる可能性も!」なんていう情報を多々見ますよね。そこでここでは、外装のひび割れに関連する修理費用の相場をまとめました。
ひび割れ部分修理 | 1~10万円(足場なし) |
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モルタル外壁塗装 | 50~90万円 |
サイディング外装塗装 | 50~100万円 |
サイディング張り替え | 50~350万円 |
サイディング重ね張り | 50~250万円 |
外壁からの雨漏り修理 | 1~100万円(作業内容によって大きく変動) |
※あくまで、大体の相場になります。外壁塗装や雨漏りの修理は、外壁の大きさ・修理に必要な資材・人件費によって大きく変動します。正確な料金は、現地見積りでしっかりと確認しましょう。
外壁の塗りなおしや雨漏り修理の作業料金相場についてご紹介しましたが、二次被害でよくある「シロアリ」や「カビの防除」についても、大体どれくらい費用がかかるのかご紹介しておきたいと思います。
シロアリの駆除 | 5~30万円(規模によって変動) |
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床の乾燥除菌・クリーニング(カビの予防) | 5~8万円 |
このほかにも壁のクロスの張り替え、カビ発生の際のカビクリーニングなどが必要になる可能性もあります。しかしこちらはあくまで相場料金となっており、業者によって作業費や人件費が異なります。修理を依頼する際は、しっかり見積もりを取ってから行いましょう。
今回は外壁のひび割れに関するお話でしたが、いかがでしたでしょうか。
ひび割れといっても、一概にすべてが今すぐ修理が必要なわけではありません。自分で修理ができるものもあります。
しかし、大きめのひび割れは長い間放置すると、雨漏りが起きる原因にもなりかねません。自分で修理ができない場合は、ひび割れが拡大する前に、修理業者に見積りと相談をしておくと安心です。